2012年05月24日
自治労81万の『ひとりひとりの力』を結集し試練乗り越えよう=第144回中央委員会
5月24日13時、福島県・福島市公会堂で自治労第144回中央委員会がはじまった。
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福島県は、先の東日本大震災で沿岸部が津波による大きな被害や、福島第一原子力発電所の事故で、今現在も大規模な避難や除染作業を余儀なくされている。また、福島県全域が風評被害などで経済的にも大きな打撃を受けている。自治労は、可能な限りの支援をしていくために、自治労福島県本部の協力を得て、復興にむけたシンポジウムなど関連イベントが実施される。
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中央委員会は、公務員制度改革に対する取り組みなど当面の闘争方針を決定し、25日に終了する予定。
来賓には、佐藤雄平福島県知事、瀬戸孝則福島市長、影山道幸連合福島会長、自治労協力国会議員団を代表してあいはらくみこ参議院議員も駆けつけた。
徳永委員長は、本部を代表して当面する課題について考えを述べあいさつした。
一つ目は、東日本大震災と福島原発事故からの復興について、昨日23日、福島県本部の協力を得て、浜通りを中心とした自治体、単組への訪問したことについて報告した。
その上で、「大震災から1年2カ月が過ぎた。被災地では課題が山積している。国からの予算は計上されてはいるが決定的な人員の不足が、復興へのスピードを遅らせている要因でもある」と述べ「引き続き中長期的な人材確保のしくみを政府に求めていきたい」と強調した。
また、「福島では地震と津波、さらには原発事故が重なり、放射能汚染との先の見えないたたかいを強いられている、良質な住民サービスを提供し続けようと自治労の仲間たちが昼夜を問わず頑張っている」と述べ「被災地域の復興には、復興の拠点となる自治体の再生を急ぐことが重要。被災地で働く自治体職員の現場の声を受け止め、単組・県本部・本部が一体となって、自治体再生を果たさなければなない」と呼びかけた。
自治労が行った、被災地の人員確保アンケートでは、体調不良で長期休暇に入る職員が続出しているといった報告がある。通常業務と復興支援業務が重なり過重労働で恒常的な人員不足の悪循環に陥っていることが浮き彫りになっている。
自治体職員が長く働き続けられるような職場環境づくりやメンタルヘルスケア対策は喫緊の課題だ。
そのことにふれ、徳永委員長は、「自治労として継続的な取り組みをしているが、一方で、政府に対し国としての対応を求めていく必要がある」と強調し「復興にむけて頑張り続ける仲間のみなさんに、復興を成し遂げるための重要な要!時には休む勇気も持ってほしいし、全国の自治労の仲間が被災地の仲間とともにあることも再認識してほしい」と呼びかけた。
エネルギー政策については、「福島原発事故の検証を反映した新たな安全基準の策定や、自治体の原子力防災体制が確立されていないなかで、国民的な議論と合意をぬきにして政府が大飯原発再稼働を認める判断をしたことは極めて問題だ。国の政策を転換させ、脱原発社会を実現するために連合とともに全力で取り組む」と決意を述べた。
さらに、公務員制度改革、都市交との組織統合、社会保障と税の一体改革について述べた上で、「地域において、すべての人が安心して暮らし、働くことのできる社会保障制度を確立するためにも、持続可能な国と地方の財源確保にむけ、引き続き連合と連携して取り組む」と述べた。
最後に政治については、「1月の中央委員会で推薦決定した、あいはらくみこ参議院議員の再選のために自治労の力量を示そう!」と呼びかけた。
また、「国民生活に直結するすべての重要課題に対する方向性を決めることのできない政治に対し与野党ともに責任があるが、民主党は、政権交代を果たした原点に立ち返り、政権与党として責任感をもって政権運営に臨んでほしい」と指摘した。
また、「一方で、民主党政権になり自民党政権では成し得なかった政策が実現したことも事実で、公務員の労働基本権回復や、消防職員の基本権付与の議論など、民主党政権になったからこそここまで来ることができた。政府・民主党は国民の信託に応えるべく、強いリーダーシップを発揮して、挙党一致して国会に臨むべき」だと訴えた。
最後に、「急務の課題が山積している。自治労81万の『ひとりひとりの力』を結集し、福島の地で中央委員会を開催する意義を再確認し、この試練を何としても乗り越えていかなければならない」と述べ、「全国の組合員のみなさんに、改めて自治労への結集をお願いし、私も『ひとりの力』として挑戦し続けていく」と決意を述べた。
決して政権を逆戻りさせるわけには行かない!
あいさつに駆けつけたあいはら参議
あいはら参議は、「これまで自公政権でずたずたにされた日本社会を少しずつ立て直してきた。民主党に対する批判はあると思うが、政権交代で実現した各種の政策や必要部分への予算拡充などで少しずつ改善してきていることもご理解をいただきたい」と述べ、自分が議員となる原点でもある「『官製ワーキングプア問題の解決』のため、地方自治体臨時・非常勤職員問題ワーキングチームを始動させている。引き続き全力で取り組んで生きたい」と力強く決意を述べた。
また、来年の参議院選挙にむけて「今度の選挙は、前回よりも、はるかに厳しいたたかい。しかし、決して政権を逆戻りさせるわけには行かない。自分も身を粉にしてがんばる」と、引き続きの支援を訴えた。