2011年09月18日
太陽と風、大地、自然の恵みをエネルギーに!=さようなら原発in北海道
9月18日、さっぽろ芸術文化の館(旧厚生年金会館)・ロイヤルホールで「さようなら原発1000万人アクションin北海道」が開かれ、集会には市民団体・労組・一般市民など約1500人、デモ行進には約2000人が結集した。
この集会は、さようなら原発1000万人アクション実行委員会が、次の4つの目的で開いた。
①泊原発の廃炉に向け、段階的な運転停止を求めます。
②青森県・大間原発の建設中止を求めます。
③「幌延深地層研究所計画」の「核抜き条例」および「三者協定」の遵守と道内すべての自治体において高レベル放射性廃棄物最終処分場の受け入れを拒否します。
④脱原発を実現し、自然エネルギー中心の社会を求めます。
【写真】立ち見のほか、会場に入りきれないほどの参加者が集まった
集会の開会に先立ち、主催者である平和運動フォーラム・山田代表は、「『原発の安全神話』はもろくも崩れた。ひとたび事故が起きるとその地域のみならず全国に傷跡残すことが確認できた」と強調した。また、今国会でエネルギー大綱の予算が通ればエネルギー政策の転換の時期だと指摘し、「脱原発1000万人署名を成功させることで、泊原発や他のすべての原発を止める運動につなげる」と述べ、「今回の集会を契機にそれぞれの団体の情報を共有し一体となって脱原発に取り組む」とあいさつ。
連帯のあいさつでは、原水爆禁止日本会議・川野議長が「今回の福島事故で避難されている住民の課題、事故に対する総括もされていないなか、北海道では日本で初めて原発が再稼働した」と高橋道政を批判し、「安全なら東京のど真ん中に原発をつくればいい」と述べ参加者から大きな拍手があった。
さらに、電力資本は「経済の血液」と呼ばれていることに言及し、「お金よりも生命を大切にしよう」と参加者に呼びかけた。
リレートークでは、被災地・幌延・函館・泊それぞれの立場から参加者へ脱原発を訴えた。
福島県伊達市から札幌市へ避難した宍戸 隆子さんは、「原発事故で人と人の絆すら奪ってしまった。私たちと同じ苦しみあじわっってほしくない」と述べ「危ないとわかっていながらも恩恵を受けてきた。原発を止められなかった責任を痛感している」とし、「自分達が経験したことを自分のことと考え原発停止の運動に力を貸してほしい」と訴えた。
幌延の核廃棄物施設誘致に反対する道北連絡協議会で酪農を営む久世 薫嗣さんが、幌延の経過と高レベル廃棄物の現状を報告し、「豊かな第一次産業のある福島がすべてなくなってしまった。自然豊かな大地に原発を押しつけられている」と述べ、「福島のガレキは東電に返すべき。泊ででたゴミを札幌で引き受けられるか?!脱原発ではなく”反原発”ですべての原発を止めてほしい」と力を込めて訴えた。
函館からは大間原発訴訟の会の中森 司さんが、「大間には未だ経験のない138万kw世界最大の“フルMOX”の発電を行う発電所建設が行われようとしている」と述べ、「コントロール難しく、もし事故があったら、風速2メートルだと4時間で函館に到達する。その時8000人が急逝し、5年以内に道南の人全員が死亡すると指摘されている」と述べ、「観光・水産・農産物など函館のダメージは計り知れない。裁判で危険性を指摘し、町に出て活動を行っていく」と大間原発反対の取り組み決意が語られた。
【写真】「大間原発は北海道の問題」と訴訟をたたかっている中森さん
岩内原発問題研究会の斎藤 武一さんが、紙芝居を会場全体で見られるようにプロジェクターで紙芝居を写しながら、放射能の危険性と泊原発で起きている不正を明らかにしたうえで「フクシマを契機に新しい北海道をつくろう」と呼びかけた
【写真】紙芝居をつかって放射能の危険性などをわかりやすく解説した齋藤さん
最後に集会アピールを採択し、デモ行進を行った。
デモ行進は3グループに分かれ、札幌市内を約2000人で「泊原発を止めよう!」「大間原発建設反対!」「核廃棄物最終処分場反対!」「さようなら原発!」とシュプレヒコールを挙げた。
【写真】原発をなくすためデモ行進とシュプレヒコールで世論喚起をおこなった
集 会 ア ピ ー ル
3月11日の東日本大震災で被害を受けた福島第一原子力発電所では、核燃料が溶け落ちる「メルトダウン」や水素爆発、大量の放射能が今も漏れ続ける原子力史上最悪の事故となり、依然として冷却機能を取り戻すことができず、収束のめども立っていません。
放射能の汚染は、大気や水、土壌に多大な影響を与え、農畜産物や海産物などへ広範囲に広がっています。特に、放射線の影響を受けやすい子どもたちは、健康と生命(いのち)の危険にさらされています。また、多くの住民が長期の避難生活を強いられ、避難区域外の住民も高い放射線の中での生活を余儀なくされています。
福島第一原発の事故は人災に他なりません。経済優先の中で原発政策を推進し、安全性をないがしろにしてきた電力会社、歴代政府の責任は重大です。「想定外」を口実に責任を免れようとする姿勢は許されません。
高橋知事は、泊原発3号機において、福島原発事故発生以来、全国初となる「再稼働」を容認しました。その泊原発3号機の増設やプルサーマル計画をめぐる「道民の意見を聴く会」では、北電による「やらせ」が発覚しました。また、国に対しては「社員の動員はなかった」との「虚偽報告」を行っていました。こうした「賛成誘導」が常態化していたことが明らかになった以上、泊原発3号機は直ちに運転停止し、プルサーマル計画は、白紙撤回すべきです。
福島原発事故で日本の原発の「安全神話」は崩れました。私たちの命と暮らしを守るために、今こそ、原子力中心のエネルギー政策から、風力や太陽光など再生可能な自然エネルギー中心の政策へ転換しなければなりません。
私たちは訴えます。
泊原発を止めよう!
プルサーマル計画を白紙撤回しよう!
大間原発の建設を中止しよう!
幌延をはじめ核廃棄物の最終処分地を拒否しよう!
子どもたちを放射能から守ろう!
そして、
すべての原発をなくそう!さようなら原発!
2011年9月18日
さようなら原発1000万人アクションIN北海道