2009年11月06日
奪われた人生~グアンタナモ収容所の真実を語る~
11月5日、札幌市・エルプラザで、(社)アムネスティ・インターナショナル日本の主催による「スピーキングツアー2009 奪われた人生 ~グアンタナモ収容所の真実を語る~」が開かれた。
この集会は、全国8カ所で開催され、実際に無実の罪でキューバのグアンタモナ収容所に収容されていた「ムラット・クルナズさん(ドイツ生まれ、トルコ国籍)」が自らの体験から、アメリカのブッシュ前政権下で起きた人権侵害や、オバマ政権のこれからの課題を話した。
9.11同時多発テロ事件後の2001年11月、ブッシュ大統領は、アルカイダの構成員、米国・米国民・米国の政策に危害を加える活動に関与したものなどを「敵性戦闘員」として、大統領権限で無制限に身体を拘束でき、国防総省管轄の「軍事特別法廷」で裁くことができるという大統領令を出した。
これに基づき、2002年1月以降、世界中から数百人が「テロ容疑者」として、キューバにある米軍基地「グアンタモナ基地」内の収容所に送られ、2009年1月時点でも約240人が裁判を受けることなく拘束されている。
講演を行ったムラットさんも、イスラム教を勉強するため2001年9月にパキスタンに向かうが、パキスタン当局により拘束され、間もなく米当局に引き渡され、4年8カ月の間、グアンタモナ収容所に収容されている。その収容期間中に受けた性的な虐待や殴打などの過酷な拷問の実態が切実に語られた。
【画像】当時のようすを語るムラット・クルナズさん
2009年1月、オバマ大統領はグアンタナモ収容所を閉鎖すると発表したが、前政権の強硬派など公約を反故にしようと圧力を強めている状況もある。
アムネスティ・インターナショナルは、未だ無実の罪で収容されている人の釈放や、「テロリスト」の濡れ衣を着せられて拷問を受けた人へ、米政府からの謝罪と賠償を求めて活動を展開している。
↓(社)アムネスティ・インターナショナル日本のホームページ
http://www.amnesty.or.jp/