2009年04月12日
『地域医療』は市民の意思表示で動かせる
4月11日、札幌市・自治労会館で連合北海道の地域医療を守る対策委員会による、2009地域医療シンポジュウム「地域医療の崩壊をくいとめるために」が開かれ約250人が参加した。
冒頭、あいさつで髙柳連合北海道会長は3月29日千葉銚子市立総合病院休止問題をめぐって、市民からの解職請求により市長を失職する事態にふれた。「『地域医療』が、地域の、市民の意思表示により『こと』を動かせるというほど重要な課題である」と述べ「同時に、私たちが地域の課題に関心を持ち行動を起こさなければ、事態は変わらない。『地域医療』の取り組みにあたり、連合北海道の問題点として『地方連合に課せられた課題として地域政策の推進や地域課題の取り組み』を強調してきた。その一例として地域での産婦人科医の不在により安心して子どもが産めない状況がある。地域の24時間の安心・安全医療体制の『あるべき姿』を、まずは基礎自治体、広域連携そして北海道で、それぞれの役割について、地区連合・地協等の立場・段階での議論をお願いしたい」と強調した。
さらに、「道民の安心・安全は、1市町村で賄えるはずがない。国の枠組みは別の議論として、北海道がその責任においてプランニングや、サポートを行う必要がある」と指摘した。
1.講演
Ⅰ「北海道の医療機能の現状」
北海道病院協会 理事長 徳田 禎久さん
徳田さんは、「独立行政法人化」による大学病院の経営改善に伴い、特定機能から一般機能化し医師の労働強化につながった。本来医大などは医育大学であるはずが一般病院化してきている。診療報酬の改訂による業務量増大、勤務時間延長などによる医師希望者の減少があげられる。医療費の増大により受診をひかえるため、病気が重症化することもある。医師不足が言われているが原因には行政の怠慢がある。地域医療に手を打ってきたのか(対応してきたのか)。道内の患者への責任を道としても果たすべき。またマスコミによる医療バッシングの影響も少なくない。砂川市立病院が、地域医療を真剣に考え取り組んできたように、時間はかかるが実現すると話した。
Ⅱ「地域医療の確保と医療連携」
全国自治体病院協議会北海道支部 事務局長 小俣 憲治さん(砂川市立病院事務局長)
小俣さんは、砂川市立病院事務局長の立場から砂川市立病院の取り組みを話した。全国的に医師不足の中、2003年度から2008年度の医師数の推移で19人が増員した。これは①受け入れ体制の強化、②砂川市として環境づくりに先行投資をしてきた結果である。受診者の64%が市外からであり地域の為の病院として位置づけ取り組みを進めてきた。何故今医療連携が必要なのかを考え、「自己完結型医療」から「地域医療完結型」への転換をはかってきた成果である。地域医療連携に関する砂川市立病院の特徴的な取り組みを話した。
〈自己完結型医療〉
病気になってすぐの状態や手術を必要とする「急性期」から、リハビリテーションといった「慢性期」や「在宅・介護」までの治療をすべてを1つの医療機関で提供すること。
〈地域完結型医療〉
「地域」を1つの病院に見立て、それぞれの医療施設等が役割を分担し、相互の協力によって患者さんに対して切れ目ない医療を提供すること。
2010年秋「開院」予定の砂川市立病院については下記HPをご覧下さい。
www.med.sunagawa.hokkaido.jp/kaichiku2
地域報告
「連合空知地協」 運上 琢諭 事務局長
連合空知地協としての取り組みについて、当該産別と充分な連携をとり当該産別・地域議論を背景にとした真の自治体病院のあり方について、市町村や北海道、国に対して意見反映させていく取り組みを積極的に展開していくことを報告した。道が策定した構想についての周知度が33%で、構想を知っている人で65%が施策として適切でないと思うと報告した。
「連合十勝地協」 岡村 力蔵 副会長
「地域医療を守る」主な取り組みの報告があり、地域医療を守る署名活動で地域住民が道の病院広域化について周知されていないことを報告した。1月27日に開催した十勝管内自治体病院等広域化・連携検討会についても報告した。
鼎談(ていだん)
地域医療の崩壊を食い止めるために話しあった。
メンバーは、司会が武田連合副会長、提言者は徳田禎久さん(北海道病院協会理事長)、小俣憲治さん(全国自治体病院協議会北海道支部事務局長)、渡部基久さん(北海道医療等関連労働組合連絡協議会議長)
鼎談では①北海道における病院連携について②医師確保について③自己完結型かネットワーク型かなどが大きなテーマとして話された。地域医療の原点に立ち返り、住民が何を求めているのかを考え事業計画を考えるべきであり、それには行政の大きな力が必要であると話した。

