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2008年09月04日

お互いを認め合う新しい社会にしよう!

働いても、働いても「貧困」といわれるワーキングプアが拡がっている。
連合北海道は9月3日、札幌市内で『勤労貧困層の解消に向けた新しい社会政策の実現をめざすシンポジューム』を開き200人が参加した。

主催者を代表して、連合北海道・髙柳会長は「労働者の平均賃金は9年連続低下しているが、全労働者の33.5%が非正規労働者、このうち77%がワーキングプアと言われる年収200万円未満で働く人で社会問題化している」と述べ「連合北海道としてさまざまな取り組みをしてきたが、労働組合運動では限界がある。問題の本質を変えるには政治の転換を図らなければならない」と強調した。

集会では、2つの基調講演を受けたあとパネルディスカッションを行った。


【画像】中央大学文学部の山田昌弘教授

一つ目の講演は、「希望格差社会」筆者の中央大学文学部の山田昌弘教授が「現代の貧困と福祉社会」をテーマに、「今苦しくても、5年10年先に暮らしが良くなれば我慢ができるが、現代はそんな見通しも見えない。以前は見通しが希望だった。ワーキングプアは資本主義社会の中であってはならない概念だ」と述べ、「1975年までの社会問題は『失業』しかなかった。男性が働いて妻子を養える前提での社会制度だった。現在は、社会政策の変化で朝から晩まで働いても生活できない賃金しかもらえなくなっている。年金をもらっているおばあちゃんが孫の年金を払っている。制度の破綻だ」と話した。


【画像】連合・小島茂総合政策局長

2つめの講演は、連合・小島茂総合政策局長が「連合がめざす新しいセーフティネット」について、現状と機能不全に陥ったセーフティネットについて説明した。1997年以降急速に不安定雇用で低賃金の非正規労働者が増加した。現行の社会保障制度から排除されている貧困層の自立支援に向けた今後のセーフティネットの再構築について、ベーシックインカムの考え方などを説明した。

ベーシックインカム=すべての成人に対して、何らかの水準の給付を職歴や収入などに関係なく一律に、無条件に支給しようという制度。そうすればワーキングプアがなくなる。

パネルディスカッションでは、講演した2人の他に、北海学園大学の川村雅則経済学部準教授(写真右)がパネリストになり、北海道地域総合研究所の松本収さん(写真左)がコーディネーターを務め「勤労貧困層の解消に向けた新しい社会政策をめざして」をテーマに、次のことが話された。

日本政府は全くの無策だ。子どもの面倒を親がみてこられたから(パラサイト)問題が起きなかったが、親がいなくなったとたんに生活が立ちゆかなくなっていくことが、顕在化して社会問題になってきた。
貧困は、世界的な出来事ではあるが日本ができることはまだまだある。一人ひとりの意識を変えなくてはいけない、他人事を繰り返しているだけではだめだ、当事者の気持ちになって労組のスタイルそのものを変えていかなければならない。ワーキングプアは人間の心を奪う。働いて誇りをもてる社会、お互いを認め合う新しい社会にするためにその一翼を担おうとまとめた。


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