2005年03月29日
「減額調整」 不誠実交渉に対し賠償を求める ~ 第8回弁論
3月28日、札幌地裁で2002年給与改定の減額調整措置に係る不誠実交渉に対する損害賠償請求事件の第8回弁論が行われた。
この裁判は、02年度の給与改定にともなう減額調整措置(不利益遡及)に関わる労使交渉が誠実に行われなかったのは、地公法や地公労法に定める団体交渉権の侵害であるとして、全道庁、札幌市職、札幌市労、北広島市職労がそれぞれ当局を相手に損害賠償を求めているもの。
原告は、北海道の4単組であるが、裁判闘争は自治労の代表訴訟として位置付けられている。当初、この裁判は、減額調整措置そのものを争点とする方向も模索されたが、司法をめぐる過去の判断や情勢を踏まえ、その労使交渉のありかた=誠実交渉義務違反に対して司法の判断を求めていく裁判として組み立てられている。
なお、全労連系の国公労連が、減額調整分の支払いを直接もとめた裁判は、昨年10月、東京地裁が「不利益の遡及であるとは一義的にいえない」との判断を示し、敗訴している。
今回の 弁論では、原告側は、誠実交渉義務に違反しているとした個々の事実について、被告側が書面で反論したものに、原告側が書面で再反論を提出した。
次回は、5月30日に原告側から「2004年10月21日東京地判(損害賠償請求事件)」=労連系の国公労連事案に関わる批判的見解、被告側より「本件交渉における自治体当局の誠実交渉義務違反の具体的な内容に対する原告側の再反論」に関し反論が行われる予定。