朔風プレミアム

【朔風プレミアム】小沢代表続投に疑問符=各紙社説の論調

今朝の各紙の社説は、一様に西松献金事件に絡む民主党小沢代表の続投問題をとりあげ論評している。

「小沢代表は身を引くべき」(朝日)「小沢代表続投のイバラの道」(読売)「説得力のない会見だった」「検察は与野党問わず捜査を」(毎日)「小沢氏に問われる覚悟」(道新)「小沢氏続投は有権者の理解得られるか」(日経)「起訴事実は限りなく重い」(赤旗)

というようにいずれも疑問を投げかける内容となっている。共通するのは「説明責任を果たしていない」という点である。

「なぜ、素性も知らない団体から巨額の献金をもらい続けてきたのか」「金の出所を知らないというのは不自然」など国民の間にはなお疑問がくすぶっており、十分解明されていないというものである。

しかも、逮捕された大久保秘書は「献金が西松建設からのものだったと認識していた」と供述をはじめたとすれば、なおさら小沢代表の説明責任は重いといわなければならないだろう。

さらに共通する主張は政治家には法的責任だけでなく政治的道義的責任があるというものである。法的には公判の場で決着がつけられるが、この問題とは別に自民党に代わる政権政党の対応として疑問が残るというのである。

もちろん各紙とも検察の捜査手法にも批判的である。献金額の多少にかかわらず洗いざらい調べるべきであるという主張である。そうでなければ、「なぜ小沢代表だけなのか」「「選挙妨害ではないのか」といった検察への疑問も根強いからである。検察にも説明責任が問われているといえる。

民主党のダメージコントロールが問われている。

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【朔風プレミアム】不況から恐慌への一歩

2009年03月20日

タイトル「不況から恐慌への一歩」は3月19日付けの毎日新聞の見出しで、経済評論家内橋克人氏のコメントの一節から拝借した。

同氏は「賃上げがゼロになったことで、内需の拡大や自律的な景気回復を維持するための機会を失った」として内需を軽んじ、外需依存で成長してきた日本の大手企業が業績悪化に陥っているのに、その転換へのチャンスを失い不況から恐慌への第一歩になってしまうと危惧するという分析である。

また、別のエコノミストもこれまで、戦後最大の景気を謳歌していたときにも満足な賃上げを実現できなかった春闘の限界が今春闘の結果を呼び込んだともコメントしている。確かに、トヨタが過去最高の収益を更新していたつい最近も、一時金で解消し、賃上げと呼べるにふさわしい結果は残していない。

それが、この不況期の労使交渉である。「異例の交渉」などというのん気なことを言っている場合ではなかろう。最初から難航することは明らかではあった。

経団連は「定昇凍結でも景気後退せず」と主張しているが、組合員の生活は事実上の賃下げで生活を一層の切り詰め、したがって個人消費は落ち込み、企業の売り上げは伸びずさらに業績が悪化する「負の連鎖」は避けられない。

こうした春闘の結果は今後の中小や公務員賃金にもマイナス影響が及ぶこととなろう。非正規労働者の雇用も賃金も改善されるどころかますます厳しい環境で推移するに違いない。

今年の賃金闘争はかつてない厳しい情勢下でのたたかいとなることを覚悟しなければなならい。

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【朔風プレミアム】定昇は賃上げではない

2009年03月11日

09春闘も来週18日は大手民間の集中回答日である。電気も自動車も経営の悪化を理由にゼロ回答を決め込んでいるようだ。焦点は定昇維持だと伝えられる(3月11日、日経新聞)

さて、この定昇維持だが、はたして賃金の引き上げといえるかどうかであるが、答えはノーである。定昇は賃金カーブともいわれているが、基本的には新たな賃金原資の純増を伴わないからである。

たしかに、個々の労働者からすると賃金は「引き上がる」が、それは賃金表の昇給階段を1つ上がるだけでその構造そのものの仕組みに過ぎない。

この定昇も維持できないとすれば、これは事実上賃金の引き下げということになる。莫大な内部留保を吐き出すどころか逆に賃下げ分だけ膨らんでしまう。

もちろん、この賃金カーブをどの程度にするかも重要ではある。大手と中小では格差もある。中小企業の場合は定昇自体がないところが多い。そういうところはカーブを設けることが重点課題となる。

民間の春闘相場が仮に「定昇維持」で終わった場合、ほぼ今年の人事院勧告が賃金表の改定を伴わない「ベアゼロ」あるいは「マイナス改定」の可能性すら否定できない。

地域給の導入で現給保障という定昇ストップの組合員も多くいる。独自削減でカットされる。じわりじわり上がる物価、かさむ教育費うや住宅ローンなど生活実態は厳しくなるばかりである。

労働者の生活を改善するために総労働が結集する取り組みは日本においては歴史的にも春闘しかない。全単組・総支部で今春闘への取り組みを強化しよう。

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コメント (2)

ハシノミヤ:

みなさんお疲れ様です。
私は先輩から現在の「賃金表」のそもそもの成り立ちを「とても日本的で職人的な構造」と聞いたことがあります。

要するに知識や経験の蓄積に伴い労働力の対価(当然労働力そのものの質・量も)が上がるって言うことだと思うんですが、それを考えれば自ずと定昇が「必要」という答えになりますよね。

もしそれを完全な成果や評価でしか反映しない賃金体系とするならば、現在ようやく弱肉強食絶対主義という「国家的詐欺」から国民が目覚め始めている現状とは矛盾してきますしね。

いずれにしても「労働力の再生産費」という考えに立つと資本家の姿勢には不快感しか沸いてこないのが現状ですね。

社会を支えているのは労働者だという誇りを持って今春闘期を闘いたいですし、先頭に立つ民間労組の仲間にとても期待しています。

イモ:

ハシノミヤさん

>要するに知識や経験の蓄積に伴い労働力の対価(当然労働力そのものの質・量も)が上がるって言うことだと思うんですが、それを考えれば自ずと定昇が「必要」という答えになりますよね。


おっしゃる通りだと思います。

評価制度が入っても「普通」であれば4号は昇給できるということは、知識や経験だけでなく、誰でも年齢の上昇とともにライフイベントがあり、まさに労働力の再生産費も上昇するので定昇維持は必要最低限の仕組みだと思います。

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【朔風プレミアム】小沢秘書逮捕の背景=田中真紀子サンプロで語る

2009年03月09日

日曜日、観ていない人のためにYOUTUBEからコピーしました。

今回の事件を考える上で参考になります。

1. 潜む巨大な国家権力 (不公正な権力行使)
http://www.youtube.com/watch?v=XBvEUWHvDEY

2. 潜む巨大な国家権力 (職務権限と便宜供与)
http://www.youtube.com/watch?v=C0D41XLvxNo

3. 潜む巨大な国家権力 (検察を操っているのは)
http://www.youtube.com/watch?v=zHrkENovHOM

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【朔風プレミアム】ダメージコントロール

2009年03月08日

8日のサンデーモーニングで寺島実郎氏は「ダメージコントロール」という言葉で民主党の対応に注文をつけていた。軍事や医療などで使われる用語で問題を局所化し、損害を小さく食い止めるという概念のようである。

毎日新聞の世論調査では「小沢代表辞めるべきだ」が57%で、「辞める必要はない」の33%を上回った。また事件に関する小沢氏の説明に対しては「納得できない」79%に達している。

このほか、政党支持率で民主党が2月の前回調査比7ポイント減の22%で、2ポイント増の自民党と同率になるなど、民主党に厳しい数字が並ぶ結果となった。

特に「説明が納得できない」という国民が思ったより多い点は民主党にとって考慮すべき材料だろう。

ポイントは検察側が逮捕容疑としている「陸山会が受けた寄付は実態は西松建設からの寄付」という点である。そこで陸山会が「2つの政治団体がダミー」と認識していたかどうかが大きな分かれ道となる。

逮捕された秘書が「ダミーとは認識していない」で貫き通せば、小沢代表がいうようにやがて釈放となろう。しかし、各種報道が検察側のリークであるにせよ、かなりの証拠を掴んでることは想像に難くない。

拘留期限は最大21日間、今月24日までに容疑否認のまま起訴され、やがて公判となった場合、党首としての小沢代表および民主党のダメージは決して小さくない。

9月までには必ず衆議院選挙がある。民主党のダメージコントロールが問われている。

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