2012年10月13日
原発再稼働は犯罪行為だ=さようなら原発北海道講演会
10月12日、札幌市・共済ホールで「さようなら原発北海道講演会」が開かれ、約700人が参加した。
はじめに主催者を代表して、小野有五・北海道大学名誉教授があいさつした。
その後、「市民があたり前にデモをする社会に」をテーマに、作家・活動家の雨宮処凛さんと北海道大学准教授の中島岳志さんが対談した。
対談では、雨宮さんは「東京で脱原発のデモ隊をターゲットに、『デモ割』という産業ができた。地域を巻き込んだ運動に発展している。そこで色々な意見交換ができるのはいいこと。札幌でもやるべき。運動を広げるために、地域の人との関わりが重要だ」と述べた。
中島さんは「日本はカーニバル社会。大飯原発再稼働問題があった時、野田首相が賛成するより、橋下大阪市長が賛成したほうが再稼働に関しての支持が上がった。今の世論は誰かが何かを決断するとその方向にむいてしまう。自分の思う通りに何か決をめてほしい。誰がどう動くかで判断しているというのが今の世論形成。世論の気分化だ」「少数の意見を吸い上げて決めていくのが議会民主主義の原則。国会・議員との接点をどう持つのか。もうひとつ越えた運動を展開しなければならない。デモのやり方を変えるなどの手法も必要ではないか。人間は完ぺきではない。完璧でない人間が作った原発に完璧などありえない」「私たちは日頃電気が消えない中、脱原発という矛盾の中で生活している。民主主義の着地点を見据えて、運動がどこにむかうのかを決めるべき」と強調した。
引き続き、「脱原発は、必ずできる」と題して、ルポライターでさようなら原発1000万人アクションの呼びかけ人でもある、鎌田慧さんが講演した。
鎌田さんは「脱原発の運動が広がれば必ず実現できる。農協も脱原発と言い切った。政府・電力会社はウソと金と脅かしで原発を稼働していた。原発は民主主義の反対側に存在するもので相容れない。被爆の被害は多くいるが、因果関係が立証できず、被爆したのに労災認定されていない労働者はたくさんいる。原発再稼働は犯罪行為だ」と強調した。また「核のゴミをどう処分するかも決まっていない。原発論理はとっくに破たんしている。大江さんの言葉で『原発再稼働は国民に対する侮辱だ。侮辱されて死にたくない』という言葉がある。国民の8割が原発反対だと言っている。財界や自民党に負けないよう労組の頑張りも必要だ」と強調した。