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2012年10月09日

若者の雇用なくして社会の持続的発展は不可能=ディーセントワーク世界行動デー記念シンポジウム

10月5日、札幌市・共済サロンで、「ディーセントワーク世界行動デー記念シンポジウム」が開かれ、全体で約150人が参加した。

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はじめに、開会あいさつとして北海道労働文化協会の荒俣重雄会長があいさつし、つづいて、第一部の講演では、「国際的に見た日本の若者の雇用-働くこととルール 国際労働基準の意義を考える-」と題し、中嶋滋さん(日本ILO協会専務理事)が、ディーセントワーク実現にむけて、私たちが置かれている状況とそれをどう改革していくかなどについて講演した。

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【北海道労働文化協会・荒俣重雄会長】

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【中嶋滋さん(日本ILO協会専務理事)】

中嶋さんは「私たちを取り巻く状況は、Race to the bottom.(どん底にむかって競争していく)その状況を解決するためには国際労働基準を活用して改革する必要がある。特に若者の雇用は危機的状況にある。若者の雇用なくして社会の持続的発展は不可能。まっとうな仕事をして、まっとうな賃金をもらい、まっとうに納税して、まともな一生をおくること。貧困の故に恋愛も結婚も子どもももてない状況は個人の問題ではない。社会全体でなんとかしなくてはならない。」と話した。

第二部のトークセッションは、「留学生から見た『北海道の若者の職業観』(学校教育から就業への移行)」と題して、コーディネーターに連合本部非正規労働センター局長の村上陽子さんをむかえ、パネラーに3人の留学生(ウラピルコアさん・フィンランド出身、ソジンボムさん・韓国出身、アリアカルチャエヴァさん・キルギス出身)をむかえて行われ、日本と外国の就職活動のシステムの違いや学生時代に働くルールについての教育があったか、日本人の働き方に対する印象について活発なセッションが行われた。

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セッションでは、「フィンランドでは、学費がすべて国負担なので、国の必要性によって進学率が増えたりすることがある。日本のように企業が説明会を開くようなシステムはなく、学生自らが会社へアピールして仕事を探す。大学在学中にサマージョブすることが常識になっているのでその段階での仕事を探すことに今の学生たちは苦労している。労働者のルールについては中学生から専門の先生と自分の進路についてきちんと時間をとって話せるシステムがあり、高校の段階から大学をめざす人、日本で言う職業専門学校に進む人に分かれるが、一度進んだ道が違うと感じた場合は、途中で違う道に進路を変更できるようになっている」「キルギスでは、大学を卒業するには6年(マスターをとる)制度になっている。国が独立をしてまだ数年なのでシステムが確立されていないこともあるが、大学に限らずとも3人に1人は何らかの勉強をしている。奨学金の制度が充実しているのでそれがモチベーションとなり勉強を頑張れる。就活については日本のような概念はない」「貧しい国であれば競争したり夢にむかって頑張ることをするが、日本は夢を持たなくても生きていける国なんだと感じる。つまりそこまで発展しているということ。そういう違いはあると思う」「韓国では、大学への進学率は8割くらいある。就活は、ネットのサイト登録などで探すのが主流で、日本のように企業が説明会を開くのは少ない。「貧乏にならないためには勉強しろ」との親からの教えによって、個人の夢や希望はあったとしても、親の指示で大学へ行く環境にある。就職のためにはさまざまなスペックを身につけないといけないので、そのために忙しいし、とにかく大学に入るための勉強に必死。朝7時から夜23時までほぼ毎日勉強していた」といった報告がされた。

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【連合北海道・出村事務局長】

最後に、連合北海道の出村事務局長は、「今日のさまざまなお話や意見を聞き、日本ではまだまだディーセントワークは実現されていないと感じた。われわれも今後もっと考えていかなければならない課題だと感じた。連合北海道として11月4日に『就活応援セミナー第4弾』を企画している。ぜひ多くの参加をお願いしたい。」とまとめた。


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