2012年02月13日
『北海道と沖縄』だからこそ見えるものがある=紀元節復活反対2・11道民集会
2月13日、札幌市・共済ホールで靖国共闘会議(靖国神社国営化阻止道民連絡会議)の主催で、「第35回紀元節復活反対2・11道民集会」が開かれ、約500人が参加した。
集会の冒頭に、主催者を代表してあいさつした、後宮敬爾(うしろく よしや・札幌北光教会牧師)さんが、「大阪の橋下発言など、ファシズム登場前夜の危惧を感ずる。国家神道にその起源をもつ建国記念の日は、その象徴的な位置付けを持ち、国家神道の美化を許さず、平和憲法との矛盾を世に問い続けてきたことは、大きな意義がある」と述べ、「ファシズムが世を覆うことのないように、われわれは警告し子どもたちに伝えていかなければならない」とその役割について明らかにした。さらに「良心と自由の見張り役として、本当に豊かで自由な社会の到来をともにめざしていきたい」と決意を述べた。
講演では、「『沖縄を差別する』この国からの自立を」と題して、元沖縄県副知事の吉元政矩(よしもと まさのり)さんが、沖縄復帰前からの活動に触れながら、「沖縄は、日本復帰イコール平和憲法の適用ととらえていた。しかし、今でもそれがなっていない。終戦直後の日本側の考えとして、1947年9月にGHQに伝えた『天皇メッセージ』がある。GHQから国務省への報告を要約すると、『沖縄の占領は、ソ連(当時)の脅威と日本の治安維持両面から重要。25~50年以上米国租借が望ましい』という内容だとしている」と触れ、「それ以降も、アジア・近隣諸国との友好と平和的共存を願う沖縄県民の思いとは裏腹に、米国追随をよしとしている日本政府に対して、沖縄では、政府はアメリカにもっとしっかりモノを言ってもらいたいと考えている。しかし、それがだめなら、と、自らがアメリカ議会に米軍基地の撤去を要請した」などと、沖縄県民の米軍基地撤去への切実な思いと経過を話した。
また、「米軍の世界戦略も経済性を重要視するようになり、着実に変化してきている。沖縄を切り捨てることなく、北海道と沖縄という中央から離れている地域だからこそ、見えるものがお互いにあるのではないか。これからも、きちっと米軍の世界戦略や、日本の国際平和について、本質を見ていくことが大切」と強調した。
その後、集会名で各自治体首長と議会議長に宛てた「日本国憲法の尊重・擁護に関する要請書」と、集会決議を採択し終了した。
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講師略歴=吉元政矩(よしもと まさのり)さん=沖縄県八重山郡与那国町出身。1936年生まれ。石垣測候所(現石垣島地方気象台)に就職。その後沖縄県庁本庁に移り、沖縄県祖国復帰協議会事務局長、沖縄官公庁労働組合書記長、沖縄県職員労働組合副委員長、沖縄県企画調整部・企画調整室などを歴任。1990年12月に大田昌秀知事の下で政策調整監、1993年から副知事。1998年8月、沖縄県地方自治研究センター理事長に就任し、2000年9月から同センター顧問。現在は沖縄21戦略フォーラム代表。