2011年12月12日
介護保険第5期目の課題と展望「介護者家族の負担は重い」=(社)北海道地方自治研究所
介護保険制度施行から12年目を迎えています。
政府が在宅介護を強める一方で1人暮らしや老夫婦のみの世帯の増加、子どもとの同居率の低下など高齢者の介護を取り巻く環境は厳しい状況です。また、下記後従事者の待遇は依然として良好ではありません。
(社)北海道地方自治研究所は、12月9日、北海道自治労会館で、シンポジウム「介護保険第5期目の課題と展望」を開き、自治体の介護保険担当職員や議員、一般市民ら約70人が集まりました。
【写真】基調講演する横山教授横山純一さん(北海学園大学教授/研究所理事)による
基調提起では、社会情勢や現行制度の運用状況などについて8項目の論点を整理しました。
その上で、「在宅化の流れが強まるなかで、介護者家族の負担の重さに目をむけるならば、施設福祉より在宅福祉の方が安上がりかどうかは疑わしい」などと話した。
これを受けたパネルディスカッションでは、5人のパネリストが登壇し、それぞれ介護者家族、老人福祉施設経営者、介護労働者、自治体の介護保険担当課職員、地域ケア研究者の視点から、▽高齢化と在宅・施設サービスの役割、▽高齢者の負担問題、▽地域包括ケア、▽介護労働者の賃金労働条件-の4項目について現状や課題を報告しました。
パネルディスカッションから、在宅サービスと施設サービスの分担のあり方、介護者家族の負担への配慮、公平な利用者負担、介護労働者の労働条件、地域における専門職の連携の推進、財源の持続的確保などの観点から、引き続き制度運用の改善に向けて積極的に取り組む必要があるとの展望から語られました。
本シンポジウムの記録は、所報『北海道自治研究』2012年1月号(NO.516)に掲載の予定です。