2011年10月24日
「これからのエネルギー」のこと、考えるために
10月22日、自治労会館5F大ホールで、原発問題を中心に、原発推進派・反対派の意見を交わし会場全体で考えあう集会が、NPO法人北海道グリーンファンドの主催で「これからのエネルギー」のこと、考えるためにが開かれた。
前半「エネルギー政策はどうあるべきか」として、コーディネーターに幸せ経済社会研究所所長の枝廣淳子さんが進行を努め、パネラーに、NPO法人環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也さん、札幌市長の上田文雄さん、NPO法人国際環境経済研究所所長の澤昭裕さん、東京工業大学原子炉工学研究所助教授の澤田哲生さん、原子力委員会委員長代理の鈴木達二郎さん、九州大学副学長の吉岡斉さん、北海道大学大学院経済学研究科教授の吉田文和さんらが、それぞれの考え方を話した。
特徴的な主張は、「福島第一原発事故の対応は、事故処理・事故調査・震災復興・安全規制・新しいエネルギー政策の戦力措置があるが、しっかりとした対応ができていない」、「コストや経済性も重要だが、将来世代への責任をどう考えるか」、「原子力政策に対する優遇や支援策の撤廃をし、事故の賠償・収束・復旧にまわすべき」、「原発事故が北海道で起きると第一次産業を基盤としているため、致命的な影響を受ける」などの反対意見が述べられた。
賛成派からは、「エネルギー源ごとに冷静に比較検討するべきで、その観点は、順に供給安定性・安全性・経済性・環境性である。特定のエネルギーに偏った構成はリスクに対して脆弱」「エネルギー政策は、長期的視点に立った総合的・複合的に進めるべき」「電気料金の総括原価方式を見直し、系統安定性の観点から送電と発電は一体で進めるべき」などを主張した。
このあと、再生可能エネルギーに関しても交換が行われた。
コーディネーターは同じく枝廣さんで、パネラーに飯田哲也さん、北海道新聞社編集委員の小林基秀さん、一般社会法人日本風力発電協会企画局長の斎藤哲夫さん、NPO法人北海道グリーンファンド理事長の鈴木亨さん、吉田北大教授が登壇して、北海道の持つ可能性・電力買い取り制度の障害・長期的展望に立った推進・低周波の影響・農地をメガソーラーなどにする抵抗感など、導入促進・慎重意見が出された。
登壇者の発言にもあったが、これから重要なのは「国民的議論」であり、その材料となる「情報公開」である。
めざすべきは、「政策をどのように、つくり、進めていくか」、住民目線での取り組みが必要だ。