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2011年08月13日

“核と人類は共存できない”=ヒロシマ・ナガサキ原水禁

核も戦争もない平和な21世紀に!被曝66周年原水爆禁止世界大会は7月31日「フクシマ大会」が開かれ、8月4日、広島県立総合体育館で「核兵器廃絶2011平和ヒロシマ大会」が開かれ北海道から90人が参加した。

大会は、川野原水禁議長が「原発問題に目を背けてはいけない、現実の核問題として受け止める必要がある」と述べ「核兵器にとらわれず、核の問題として原発問題に対してもこの大会に位置づけるとあいさつした。
しかし、主催団体三者(連合・原水禁・核禁会議)で開催されている今大会では、主催者側のあいさつなどでは、原発問題が明確に触れられることはなかったことが“核”問題で違和感として残った大会だった。

【ヒロシマ大会】
8月4日の平和ヒロシマ大会では、原水禁議長のあいさつ後、実行委員会の紹介と主催者を代表して、連合南雲事務局長が「北東アジアへの提言を日本から」、また、NPT会議の経過について触れた。

来賓には広島県湯崎知事や松井広島市長が参加し、世界的な核の脅威は依然として世界には存在することや、「広島からのうねりが自分たちの使命である。平和市長会議による2020年核廃絶にむけて全力で取り組む」とあいさつした。

海外からもITUC(国際労働組合総連合)平和・軍縮問題担当責任者のクリスティン・ブロム氏、韓国環境財団理事長のチェ・ヨルさんが参加した。

その後、原爆投下時の状況を被爆者からの訴えとして、江田島市長でもあった曽根薫さん、平和コンサート、長崎実行委員会からのピースメッセージ、平和アピール、最後に参加者全員で「原爆を許すまじ」を合唱してた。

8月5日は、連合が主催する「平和シンポジウムin広島」が開かれた。
冒頭、浜野核禁会議事務局次長が、この間の核兵器に係る世界の動きについて触れてあいさつした。

黒沢大阪女学院大学教授が「核兵器廃絶に向けて何をすべきか」と題して、「核兵器の役割は“抑止力”でしかないが、それも形骸化しつつある」と述べ、「日本は、北東アジアの非核にむけ中心的に牽引するべきだ」と訴えた。

続いて、パネラーに吉田外務省軍備管理軍縮課長、黒沢大阪女学院大学教授、梅林ピースデポ特別顧問、藤田民主党参議院議員、コーディネーターには浜野核禁会議事務局次長となりパネルディスカッションが行われた。
その中で、「外交として日本は、核兵器廃絶にむけ弱いながらもあらゆる側面からの取り組みをしていること」「NPTの5年ごとの再検討をうまく活用しながら進める」「福島問題も避けて通れない。被ばく者が出ているため物事のきっかけにしたい」と意見交換した。

午後からは、連合広島の青年委員会を中心とした原爆ドームや平和公園モニュメントなどの説明を行うピースガイドの案内で「ピースウォーク」が行われた。

夕方には、北海道独自行動として「原爆死没者慰霊碑への献花」を行い。原水禁会議での参加者で行う「さようなら原発1000万人アクション広島集会」に参加した。

ここでは、「福島も広島・長崎と同じく被ばく者が出てしまった。いずれも人災による被ばくだ。原発を止めさせる運動を協力に進めよう」と川野議長があいさつした。

福島からの現地報告でも「県民の一割が避難、子どもも2万人以上が転校、失業者も増加、何もかもが縮小している」と現地の悲痛な訴えがあった。
その後、参加者で原爆ドームを手を取り合い囲みながら「ノーモアヒロシマ、ノーモアナガサキ、ノーモアフクシマ、ノーモアヒバクシャ」と繰り返し、核のない世界を訴えた。
 

8月6日は、ヒロシマ平和記念式典の後、広島でのまとめ集会が開催された。まとめ集会では、高校生から平和のメッセージや上関原発建設中止の訴え、福島の現状などの報告のあと全体合唱を行って、ヒロシマ大会の全日程を終了した。

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【ナガサキ大会】

ナガサキ大会は、8月7日、「さようなら原発1000万人アクション長崎大会」の爆心地公園開催からはじまった。冒頭、川野原水禁議長のあいさつの後、原水禁からの「脱原発に向けた取り組みを全体で確認、成功に向けて全力で取り組もう」と提起した。また、福島からの現地報告や長崎の報告、その後、メイン大会会場である県立総合体育館まで約1500人でデモ行進をした。

ナガサキ大会では、開会前に歌唱指導が行われ、大山核禁会議副議長のあいさつではじまった。大山議長は、原発問題には触れず「世界では2万発の核兵器が存在、軍縮への動きを強める」とあいさつした。

主催者代表は古賀連合会長が、ここでも原発問題には触れず「被爆者への国の支援策強化」について述べたため、会場から「“原発どーすんだ”」といったヤジが飛び交った。

来賓には、中村長崎県知事が「長崎では8月9日に平和学習のための登校日としている。長崎を最後の被爆地にという思いで取り組んできた、国の特になる犠牲策の転換を!」とあいさつし、続いて、田上長崎市長から「原発問題は、安全神話が思考停止状態になっていた結果、核抑止力も思考停止状態といえる。神話は間違い、放射能の危険性をしっかり訴える」と力強くあいさつした。

広島から続きクリスティン・ブロム氏が海外来賓としてあいさつし、高校生平和大使の報告と今年の大使からの決意が会場で報告された。会場内でもカンパや署名を募る高校生が大勢参加し、関心の強さがうかがえた。
 

その後、2歳くらいの子どもから大人まで参加した構成詩「親子で綴る平和の願い」が行われ、小学校就学前の子どももしっかりと平和を訴える姿に、会場の参加者は感動につつまれた。

アピール採択のあと、ピースフラッグリレー、全体合唱を行い、川野原水禁議長から「前段に“核と人類は共存できない”ことを集会で確認してきた。原発事故は避けて通れない。どう福島にむき合うか各団体で方向性の議論を継続する」と閉会のあいさつをした。
 
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8月8日には、広島同様、連合のピースガイドによる「ピースウォーク」、午後からの「平和シンポジウムin長崎」が行われた。


シンポジウムは二部構成で、第一部は、足立弁護士による「被曝66年、残された課題・原爆所認定の見直し」と題して、原爆症認定に係る裁判の歴史や内部被曝の実情などについて述べ、「核兵器と原子力発電は英語では「nuclear」と共通の単語が使われているが、日本では別物として扱われてきて、今回の事故により“あり方”に大きな疑問を投げかけている」と強調した。

第二部はパネルディスカッション形式で、パネリストには、足立弁護士、小川全国被爆体験者協議会会長、福田えりこ民主党衆議院議員、コーディネーターに原水禁藤本事務局長で進められた。

内容はそれぞれの体験からの国への訴えや成果などについて述べ、特に後段には『福島』を例にそれぞれの立場からの考え方が、国の責任を求めると裁判所も壁となることや、「知らないが故の偏見。福島の子どもたちも放射能がうつると差別を受けている。だからこそ、被曝認定裁判も「裁判の勝利が勇気を与えることにもなる」と話した。

薬害肝炎を例に福田衆議は「感染症だけで差別を受けてきた。精神的に苦しい日々、知らないことが不安を煽る。マスコミの正しい知識の伝達も重要だ。しかし実際は数字優先、話題性優先、その体質を変えることも必要だ」と現在のメディアに対しての体質にも触れた。さらに「薬害は企業利益追求の結果、政治を変える必要がある」と強く訴た。
藤本事務局長が「命に寄り添う政治体制が必要」とまとめた。
 
8月9日には、長崎大会のまとめ集会が行われ、主催者を代表して川野原水禁議長から「福島事故を受け、今年は趣向が変わった大会となった。どれほど真剣に課題に向き合ってきたか、自信と確信を持った運動構築をしたい」とあいさつした。

続いて高校生平和大使からのアピール、福島からの訴え、海外ゲストの紹介を行い、藤本原水禁事務局長が「9・18全国集会への結集と1000万人署名の成功」を訴え、最後に大会宣言を採択した。

引き続き、雨の中、平和行進を県立体育館から爆心地公園まで、参加者全員で整然と行い、公園で原爆投下時間に全体で黙祷を捧げ、ヒロシマ・ナガサキ大会の全日程を終了した。

「ナガサキから、3度目の被ばくを許さないたたかい」が、この間のナガサキの取り組みのスローガンであった。福島では3度目の被ばくが現実として起こった。さらには、その危険性は日本のどこにでも存在する。私たちは、改めて“核と人類は共存できない”事実を受け止め、あらゆる“核”に反対する取り組みを強化していく必要がある。



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