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2011年03月21日

『つながり』こそが人々の幸福=福祉フォーラム2011

3月20日、ロイトン札幌で「学ぶ、働く、暮らす、そして老いる」を考える福祉フォーラム2011が開かれ約600人が参加した。

冒頭、東日本大震災で亡くなられた方々への黙祷ではじまり、実行委員会を代表して深沢正義さんが「どんな人でも、家族を含めて包み込む社会にするために、私たちの求める候補を送り出していこう。そのために、このフォーラムを活発な議論の場にしたい」とあいさつした。

基調講演では、北海道大学大学院教授の宮本太郎さんが、『参加と居場所づくりの社会めざして』をテーマに講演した。

宮本教授は、今回の震災を最大の危機、試練と捉え「この震災から何を学び、くみ取るのか、復興をめざさなければならない」と述べ「大戦から日本は立ち上がり、憲法や社会保障をつくり繁栄してきた。いまこそより安心で安全な条件づくりを考えなくてはならない」と訴えた。
その上で「震災列島にくらす私たちは誰もこの危険からのがれることはできないし誰にでも起こりうることだとして捉えることが、今の社会保障を考える上重要なことだ」と強調した。
さらに、「今までの日本は、健常な稼ぎ主である男性の家族構成で成り立っている社会で、一部の困っている人たちのための社会保障であったが、被災で、そういった区別が意味を持たないものだとわかった」と話し、幸福にくらす条件を研究する『幸福研究』について触れた。
「お金や物での幸福感は、ある水準を超えると意味をもたなくなり『つながり』こそが人々の幸福になる。つながりをしっかり持続させるための支援が重要だ」と強調した。そのために、社会保障の対象を広げ「教育と雇用をつなげ、女性の秘められたパワーを活用する条件として、雇用をつくる場の確保が大事」と述べ、「助け合う資質を行政がくみ上げ、社会保障や福祉につなげることを札幌、北海道が率先して取り組んでほしい」と上田札幌市長と木村としあきさんに期待を寄せた。

トークセッションでは、北星学園大学の杉岡直人さんがコーディネーターとなり、上田札幌市長が『子育てサロン』や『元気カフェ』など2期8年間の取り組みを紹介し、「この8年で種をまいた。次の3期目で花が咲く札幌にしたい」と抱負を述べた。

木村としあきさんは、「震災の状況を目のあたりにして、生活と命を守ることが重要だと実感した。地域とのつながりを深くすることが大切。福祉政策も当事者や関係者の皆さんと対話の場をつくって、上から目線ではなくむき合っていきたい」と、これからの福祉政策の考えを述べ、「障害のある方も、ない方も、一緒になって街づくりをすすめていきたい」と訴えた。

フォーラムでは高齢社会をよくする女性の会や障害当事者、不登校の子どもたちを支える団体など7人が現状報告し、当事者や関係者の皆さんと一緒になった街づくりの推進を約束した。

最後には、すべての人が等しく価値ある存在として「育ち」「学び」「働き」「暮らし」
「年を重ねる」ことのできる地域社会の実現が大切、とした宣言を採択した。


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