2009年02月23日
【峰崎参議のニュースレター】712号
■政界は、一寸先は闇、中川財務大臣の辞任劇
先週末は、まさに厳冬という言葉がふさわしいほどの、猛烈な吹雪であった。ようやく、21日の夕刻、千葉利雄さんの告別式を終えて、千歳に向けて飛び立つことができたのだが、あくまでも羽田に引き返すことあるべし、との条件付の離陸であった。ようやく無事着陸できたときには、正直ほっとしたものの、
帰りの国道の渋滞にはうんざりさせられた週末であった。
政治は人間がやることであり、何が起こるかまさに一寸先は闇である。中川財務大臣が、G7の会合終了後の記者会見で、呂律の回らない答弁をしたことが全世界に配信され、麻生総理大臣は、一度は留任をさせたものの、あまりにも国の内外での評が大きいため、中川財務大臣は、予算が成立した後で辞任する事を表明した。当然のことながら、野党側は中川財務大臣の辞任を求め、参議院で問責決議を提出する事を決定し、当初は小生に提案の趣旨説明者になるよう求められた。ちょうど、参議院の予算委員会の視察で広島に出向いていた時の事で、同じ北海道出身の政治家を問責する事に、いささかの躊躇はあったものの、やむをえないかな、と思っていたところ、広島から羽田に到着したときには、中川大臣が直ちに辞職すると言う報告を受け、幻の問責決議案提案者となり、やや、ほっとしたのが実感である。
とにかく、何度も中川大臣のあの記者会見の映像が放映されるたびに、なんというみっともない事をしでかしたのだろうか、どうして緊張感を持続できなかったのだろうか、と酒にまつわる風評をしばしば聴いていただけに、なんともやりきれない想いを持たざるを得なかった。腰痛と風邪、それに時差も加わっ
ての出来事なのだろうが、その後でバチカンを観光見物(そこでも問題を起こされていたという)されているわけで、なんとも理解しがたい出来事であり、政治家としての矜持が問われよう。
まだ若く、これからを嘱望されていた政治家であるだけに、立場が違うとはいえ残念なことではある。
■「能力はあるが,体力が心配」、与謝野さんの3大臣兼務
中川大臣の辞職を受けて、後継者として与謝野経済財政担当大臣が財務大臣と金融担当大臣を兼務されることになった。一人3役ということになるわけであるが、未曾有の経済・金融危機のなかで、経済・財政・金融の舵取りを任せられるのも大変な事ではある。ご本人は「能力は無いが、体力はある」と発言されているが、咽頭がんの手術をされてまだ日が浅く、率直に言って顔色も今ひとつさえない中で、「能力はあるが、体力が心配」である。とくに財務大臣は海外出張も頻繁にあるわけで、国会の審議と海外出張や国内の様々な会合への出席を考えるとき、殺人的な日程とならざるを得まい。今の閣僚の中で、もっとも信頼感があり、政策的にも抜群に実力のある政治家であるだけに、健康だけにはご自愛していただきたいものだ。
その与謝野大臣にとって、先週月曜日に公表された昨年10~12月のGDPの伸び率が,年率マイナス12.7%というとんでもない数字となってかぶさってきている。今回の金融危機の震源地となったアメリカやEUのGDPのマイナスは一桁以下でしかないのに、なぜ日本のそれが厳しい数値となったのか、きちんと究明していかなければならないことと同時に、09年度の経済は、ゼロ成長にとどまるという政府の経済見通しが大きく狂っているわけで、予算審議の前提が崩れているのだ。政府・与党側には本予算が国会を通った暁には、大規模な補正予算を組めばよい、という意見も出てきている。それならば、むしろ今、衆議院で審議中の予算案を、組み替えて行く事こそ必要な対応ではあるまいか。もっとも、予算が国会にある限り、麻生総理は解散・総選挙をしない口実が立つわけで、予算を人質に取った麻生内閣、という厳しい見方をするマスコミ関係者も出る始末である。
■内閣支持率ひと桁台突入で、持たない麻生政権
それにしても、小泉元総理の麻生批判はまことに厳しかったが、今後の政局へのインパクトは、引退する事が決まっているだけにそれほど強くなりそうにない。定額給付金の衆議院での再議決での造反も、ほとんど期待できないだろう。だが、麻生内閣の支持率が一桁台のものが出始めており、それほど政権の寿命が永く続くとも思えない。「政界の奥の院」あたりでは、そろそろ麻生おろしの企みが進み始めているのではなかろうか。自民党の規約では、総裁のリコール規定があるやに聞く。本予算が成立すると、一気に動きが進展するかもしれない。注目したい。

