2008年04月08日
狭山事件再審の実現めざし=札幌で石川さんが語る
狭山事件は、部落差別が深く関わっている、石川一雄さん(現在69歳、当時24歳)に対する誘拐・殺人容疑の冤罪事件。
1963年5月1日、埼玉県狭山市で女子高校生が学校帰りに行方不明になり、身代金を要求する脅迫状が届けられた。2日、身代金を取りに現れた犯人を取り逃がし4日、女子高校生は遺体で発見された。
当時、他の事件でも犯人を取り逃がしていた警察は世論の批判にいきづまり、付近の被差別部落に集中的な見込み捜査を行い、石川さんを別件逮捕し、1カ月に渡る脅迫や甘言、誘導によってうその自白をさせ犯人にでっちあげた。
狭山事件の裁判は、1964年浦和地裁の死刑判決、1974年の東京高裁の無期懲役判決、1977年の最高裁上告棄却決定を経て、2次にわたる再審請求も棄却されている。
石川さんは1994年12月に仮出獄したが、これらの不当判決に抗議し、昨年5月に第3次再審請求を申し立て、現在も全国的に再審を求める署名が取り組まれている。
その署名も、100万筆を突破し継続されている。再審の扉を開き、公正な裁判が実現されるよう支援が必要だ。
4月4日、札幌市・北農健保会館で北海道平和運動フォーラムなどが主催し、「狭山事件の再審を求める札幌のつどい」開かれ狭山の真実を知ろうと、150人が集まった。
集会では、ルポライターで狭山事件の再審を求める市民の会事務局長の鎌田慧さん、狭山事件再審弁護団事務局長の中北龍太郎弁護士の講演を受けた。
道平和運フォーラムの住友肇代表は「憲法の規定をことごとく踏みにじるのがこの冤罪だ。いま戦争をする国づくりのために、憲法を改悪する動きがある。冤罪はこうした動きと無縁ではない。無実を叫ぶ石川さんの、見えない手錠を一日も早くはずすためにも再審への道を開き、公正な裁判が行われるよう取り組みの強化をし、差別と冤罪を生み出さない社会に変えていくことを確認しあえる場にしよう。」と話した。
集会の最後に、再審請求人である石川一雄さん、早智子さんご夫妻(上写真)が、「再審請求署名が100万人を超えて感謝している。あたりまえの公正な裁判をしてもらいたい。心を引き締め、無罪を勝ち取るまで闘っていく。」と力強く決意を述べた。