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2008年04月01日

民主党の戦術的勝利!=峰崎参議ニュースレター


峰崎直樹参議院議員

■ガソリン価格の25円値下げ実現、民主党の戦術的勝利

いよいよ年度末を迎える。国会は、憲法の衆議院優越規定によって予算は通ったものの、予算関連法案は参議院での審議ができないまま年度末を迎え、道路特定財源をはじめとする日切れ法案については、このままでは4月1日から適用期限が切れるため、ガソリン価格は25円暫定税率分が下がることになる。

ガソリン価格の低下は確実であり、すでに早い地域では、ガソリンスタンドで大幅な値下がりが始まったところがあるという。国会は、道路特定財源の暫定税率だけでなく、3月31日で日切れを迎える生活関連の軽減税率が元に戻るため、1月のつなぎ法案のときに引き続き、両院議長が仲裁に入ることになり、衆参両院で道路特定財源を除く7項目の生活関連日切れ法案だけ抜き出したものを、継続させることで合意するに至ったのだ。

本来なら、民主党が参議院に提出している道路特定財源抜きの法案を可決すれば済むものを、参議院で野党側が可決したら、与党側が憲法第59条2項を使って、衆議院から送った政府提出の税制関連法案を否決したものとみなし、衆議院で3分の2の多数で持って再可決する恐れがあるため、完全に与野党が膠着状態に陥っていた。そこで、再び両院議長の仲裁でもって打開することになった次第である。なんともはや国民からすれば、なかなか理解しにくいことではあるものの、国民生活を犠牲にすることを阻止できたわけで、民主党の主張が通ることとなったのだ。まずは、戦術的には民主党の勝利といってよいだろう。

■福田総理大臣の捨て身の記者会見は国民公約だ
 
一方、与野党の修正協議のほうは新しく事態が進展し始めてきた。与党側が先週、政策調査会長レベルで提示してきた修正協議内容は、一般財源化については来年度以降その方向で協議するものでしかなく、いつから一般財源化するのか期限がないなど、まったく評価できない代物であったのだが、3月27日午後4時、福田総理大臣が突然記者会見を行い、道路特定財源の一般財源化については、平成21年度から実施することを中心に7項目の提案を行ったのだ。この情報が伝えられるや、自民党役員会は大混乱となり、幹事長を始め党側との十分な了解がとられていなかったことが判明し、一時は党内の亀裂が公然と語られるなど、党内不統一が明確になったものの、翌日には総理の提案を含めて与党側が、民主党などとの協議に入ることを表明するに至ったのである。

それにしても、与党側が幹事長を中心に提起してきた内容と、総理大臣の記者会見の内容の間には矛盾を含んでおり、今後の修正協議はもちろん、参議院での審議の中でも追求されねばならない。ちなみに、総理大臣の記者会見について印象が深かったことは、内容的には総理の提案内容については国民に対する約束であり、必ず実現したいということと、記者会見場に官房長官や3名の官房副長官が誰も臨席していないことである。背水の陣というよりは、孤立の中でなんとしてもリーダーシップを発揮したいという執念の記者会見、捨て身の記者会見といえようか。

■道路特定財源のH21年度一般財源化の提言は、しっかり受け止めるべきだ
 
だが、この記者会見で提起された一般財源化を来年度から実施するという問題提起は、大きく評価すべきものであり、直ちに暫定税率を廃止しないからといって軽々しく扱うべきではない。すでにこのニュースレターで明らかにしてきたように、道路特定財源の一般財源化という課題は、小泉内閣以来提起され続けてきた古い自民党権力の最後の砦であり、この一般財源化の意義はまことに大きい。まさに”国のかたちを変える”といっても言い過ぎではない大改革であり、高く評価すべきものである。自民党の中にも道路特定財源を一般財源化すべきだという考え方を持った政治家は多く、この機会に実現させることが重要である。

確かに、暫定税率を一挙に無くして、ガソリン価格を一時25円下げることは、国民に対して参議院で民主党が勝利したことの成果として目に見える形の還元ではあろう。ただ、自民党の言うように、もしも4月末以降衆議院で、3分の2で政府原案をそのまま可決すれば、今後10年間59兆円の道路中期計画が復活することになるのだ。ここは冷静に総理大臣提案をじっくりと吟味し、政策協議に臨んでいくべきときではなかろうか。
もし、一般財源化が勝ち取れれば、民主党は戦略的にも勝利したといえるのだ。


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