2008年02月26日
規制改革会議のねらいはなんだ?
2月23日、自治労会館で自治労北海道学校「保育学習会」「社会福祉コース」を開き83人が参加した。
内容は以下の通り
1.全体集会では、道本部社会福祉評議会から「保育制度の規制緩和の動きについて~規制改革会議のねらいと問題点」と題して基調提起を行った。
「規制改革会議」は、①施設と利用者との間の直接契約、②応益負担方式、③保育所と幼稚園の完全一元化、④直接補助方式に転換、⑤「育児保険(仮称)」の創設、保育士資格の緩和をねらっている。もしこれが進められれば、市町村における子育て支援計画の空洞化、保育の地域間格差拡大し、保育の権利性が否定される。このことから、保護者、地域、関係団体と連携し、情勢認識を一致して取り組みを進めよう」と提起した。
2.保育学習会
ⅰ)講演Ⅰ「保育指針改定を考える」 前自治労社会福祉評議会副議長 尾崎玲子さん
2007年12月に、保育指針改定された。これまで局長通知のガイドラインだが、大臣告示として「保育内容の最低基準」の扱いとなる。保育所の役割は、「養護と教育を一体的に行う保育」と保護者支援が
より明確にされた。小学校との連携として、記録の送付の取り組み、地域の支援と入所児の親支援と親の生活実態の把握が大切であり、保育計画・評価、職員の資質向上に向けて取り組みが必要。今後の課題とし、検討会でも公立の臨職の多さは問題視されており、人材確保と人材育成が重要。
ⅱ)講演Ⅱ「認定こども園、保育内容と今後の課題」 中川町幼児センター 菅生則子さん
2007年4月1日「認定こども園 中川町幼児センター(類型:幼保連携型)」を開設した。資格取得の問題、臨時職員の採用が難しい。更には、これまで幼保職員の間で、子どもの捉え方の違い、家庭との連携・「共に子育て」の視点の違い・地域とのかかわりの考え方の違い・保育環境の違い・行事の考え方の違い、上靴やお道具箱の使用の有無など小さな事の違いが数多くあることに気付いた。同じ場所に同年齢の子ども達が集まり一緒に就学できる幼児センターの意義をもう一度確認し、「お互いに違いを受けとめる・認める・判ろうとする」という努力・意識の改革が求められている。
②社会福祉コース
ⅰ)講演Ⅰ「地域福祉との連携に対する取り組み」 講師:岩手県社会福祉事業団 藤田泰さん
現場における質の高いサービスのための取り組みとして、苦情解決の仕組み(運営適正化委員会)第三者評価などで事業の透明性の確保を進めている。しかし一方で、質の高いサービスを提供するためには、非常に高いハードルがある。社会福祉職場における人材確保である。このためには、介護報酬の改善、ひいては介護保険料の大幅値上げが必要で、そのための国民的合意がもとめられている。
また、障害者自立支援法の成立以降、指定管理者制度回避のため、自立した社会福祉事業団では、厳しい経営が続いており、資格のあり方と制度改善が必要だ。
ⅱ)講演Ⅱ「福祉人材確保の課題・資格制度を背景として」 講師 道社福協 白戸一秀さん
2015年は、本格的な超高齢化社会の入り口となり、認知症高齢者は250万人に達する。それに対応する介護サービスの従業者は、低い給与水準と高い離職率となっている。厚生労働省は、福祉人材確保指針を改定したが、実効あるものにするため、地方自治体に対する、社会福祉士の任用拡大、新たな職域の開拓を行っている。また、厚生労働省の平成20年度予算でも、事業化を図っている。今後市町村行政における社会福祉士の活用が課題となっている。