2007年11月08日
柏崎刈羽原発=耐震不適合が発覚
北海道平和運動フォーラムは後志平和運動フォーラムとの共催で、11月7日(水)夜、共和町町民センターにおいて新潟県中越沖地震で破損した柏崎刈羽原発から「原発震災問題を考える全道集会」を開催し、約300人が集まった。
集会では、泊原発3号機建設をめぐる諸問題に関する情勢報告が岩内原発問題研究会の斉藤武一さんから提起された。「建設は三菱重工が担っているが、15年ぶりに原発をつくることになった。よって、技術者の確保や3号機の部品の調達が大変なようだ」「相次ぐ放火事件の発生で出入りの下請け企業や従業員への規律が強まり不満が高まっており、犯人捜しの様相にもなっている」「9月に起きた1号機の非常用発電機2台の故障はボルトを締めすぎ破片等が混入したのが原因であり、配電盤の火災や道具箱のボヤ騒ぎ(熱のもった恐れがあるシートを燃える可能性のある箱に入れた)も未熟な技術者や従業員の行為により発生したと思われる」等々、3号機建設の現状の問題点を指摘した。
今年7月16日に発生した新潟県中越沖地震により破損した柏崎刈羽原発の問題点について刈羽村の武本和幸(原発反対刈羽村を守る会・刈羽村議)さんは、「地震火山列島の原発問題を考える」というテーマで講演した。
【画像】講師・武本和幸さん(原発反対刈羽村を守る会・元刈羽村議)
概要は次の通り。
・柏崎刈羽原発7機の出力は東京電力の15%にあたる。
・新潟中越沖地震は、M6.8の中地震でけっして大地震ではない。柏崎刈羽で震度6強、原発建屋で2000ガルを超える。原発を「止める・冷やす・閉じこめる」は機能したが、火災が発生、敷地は波打ち・建屋は傾く。現在、目視調査の段階で次々と不適合が発覚している。
・東京電力社長は「安全な原発のための調査」、「運転再開は地域の安心」と無責任な運転再開論議を主張。柏崎市は「重油タンクの使用禁止命令」、県知事は「廃炉もありうる」と原発推進の従来の態度を転換させた。震災の恐怖など地域世論が背景にある。
・中越沖地震は、地震で原発から放射能が漏れる危険を現実のものとした。絶えず地震
が発生する火山列島の日本において原発震災問題について全国の原発を抱える自治体や市民は連携して検証すべきである。また、鳴り物入りで設置された国のオフサイトセンターは全く役割を果たさず(1名しか留守番がいない状態)、市・村の原発防災体制も機能しない現状は深刻な反省が必要。
当面の課題として泊原発の改訂された耐震設計審査指針による耐震安全評価の速やかな実施について北電、道に対して指導強化を求めていく必要がある。