2005年05月12日
原発「点検期間延長でより危険に」 泊・幌延周辺単組が会議
5月10日、札幌市の自治労会館で「第2回泊・幌延周辺単組合同会議」を開催した。
今回は、原子力資料情報室共同代表の伴英幸さんを招き、「国の原子力政策を斬る」と題する講演を受けた。
伴さんは、原子力開発利用長期計画(長計)策定委員32名のなかで、脱原発の立場から孤軍奮闘している委員。
〔画像〕「国の原子力政策を斬る」原子力資料情報室の伴さん
まず、「長計とは何か」に触れ
◇ 国の原子力政策は5~7年で改訂される長計で決まる
◇ 長計に文言が入れば予算化されるため、産業界が注目する
◇ 1956年策定されたが、当時から高速増殖炉構想が政策の根幹
と指摘。
また、「本来ならば原子力発電の位置付けから議論を進め、核燃料サイクル、高速増殖炉へと議論を進めるべき」とし、
「まず核燃料サイクル問題で従来方針の堅持を打ち出し六ヶ所村でのウラン試験・MOX工場着手へのゴーサイン、続いて高速増殖炉問題でのもんじゅ改造工事へのゴーサインなど、推進派の都合にあわせた議論の場となっている」
と批判した。
さらに、再処理と直接処分のコスト比較問題では、直接処分の方が安価であることが明らかになったにもかかわらず、「作為的な政策変更コスト」すなわち、既に建設している六ヶ所村再処理工場を更地にするコストなどを加算し「再処理の方が安価である」との結論を出すなど、「極めて悪質である」とも指摘した。
こうした批判・指摘ののち、結論として、現在、経済性などから原発建設が大幅に減少し、技術者数や電力会社の研究開発費も減少するなど原発を取り巻く環境は厳しくなっているため、電気事業者は
◇ 60年間運転など原発の長期間利用
◇ 定期点検期間間隔大幅に伸ばす
などで、稼働率アップ・出力アップを目論んでおり、より危険性は増していることが訴えられた。
その後、浜頓別町職の菊地勝幸氏から「核持ち込み拒否条例制定に向けた取り組み」の報告を受け、会議を終えた。