2005年05月10日
「社会ダーウィニズムの再来」 平和と平等を求める集会
小泉政権による「構造改革・規制緩和」により、私たちが長年にわたって築き上げてきた労働基準法を始めとするセーフティーネットが失われてきている。
不公正な格差の解消と、安心で安全な職場と人間らしい生活をめざし、連合石狩地域協議会などが主催する「平和と平等を求めるさっぽろ集会」が4月26日、約300人が参加し、札幌市民会館で開かれた。
〔画像〕不公正な格差の解消をめざし300人が参加
「機会不平等」などの著書で知られる斎藤貴男さんの講演では、ダーウィンの進化論にある「自然淘汰・適者生存」の理論を人間社会の説明に流用した「社会ダーウィニズム」を紹介した。
これは、社会の高い地位を占める者は優れた人間であり、進化のために社会は優れた者を支援し、そうでない者は抑制しなければならないとした理論。
ナチズムや戦前日本の優生学にも影響を与えたが、第二次世界大戦後は国際的に一応、封印されてきた。
しかし、昨今の「市場原理主義」、「競争こそ全て」とされる時代になり、社会ダーウィニズムは息を吹き返した。
社会ダーウィニズムが何をもたらしたか?20世紀の歴史は雄弁に物語っている。
そして斎藤さんは「現代の指導者層に最も不足しているのは、人間としての最低限の優しさである」と述べた。
続いて、参加者からの格差体験報告、「不公正な格差による平等の危機に、地域の一人ひとりが着目し、この危機を跳ね返していこう」とするアピールを採択し、集会を終えた。