2月11日、ホテルライフォート札幌で、「第38回紀元節復活反対2.11道民集会」が開かれ、約500人が参加した。
ノンフィクション作家の田中伸尚さんが「戦後70年 死者を再び殺さないために~靖国・憲法・レイシズムをめぐって~」と題して講演した。
田中さんは、広島大学の産経事件をもとに現代の若者が抱く国家への幻想について取り上げ、「国家が悪いことをするはずがない、と考えるのは歴史を知らないから、知ろうとしないから。歴史を知らないということは他者を知らないということ。この排他性がナショナリズムやレイシズムをうむ。学生のなかにその傾向にあるものがいるということは知の崩壊だ」と述べた。
また、靖国問題について、「安倍首相は最高裁の判決を無視して参拝をしている。それは壊憲だ」と批判した。また、「靖国神社で合祀されている A級戦犯は東京裁判で断罪されたが、宗教法人靖国神社は、東京裁判を『否定』し、A級戦犯を昭和殉難者として合祀している」と説明したうえで、「首相の靖国参拝は、東京裁判の否定であり、植民地で戦死した、韓国遺族にとっては、植民地支配ののちに戦死し、その肉親を無断で神様にさせられたことを踏まえると、耐え難いことだ。そこに日本の首相が参拝をすることは屈辱的なことで、再び殺されるのと同じだ」と批判した。
さらに、改憲と戦後について、「2016年参院選の争点は改憲だ。選挙結果次第で戦後が終焉を迎えるかもしれない。若者、こどもも含めて戦死をさせるのか、加害者にさせるのか、国家はつねに嘘をつくということを根底に、政府に対して声をあげよう」と呼びかけた。