1月9日~10日、札幌市・自治労会館で自治労北海道本部「2015国民春闘討論集会」を開催し、133地方本部、単組・総支部299人(うち女性54人)が参加した。

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冒頭、山上執行委員長が主催者あいさつを行い、昨年末の総選挙結果について触れたうえで「労働者保護ルールの改悪、人件費削減の強要、地方交付税の削減など強化されていく」とし、「多くの国民的課題の解決が求められるが金持ち優先の政治のなかで置き去りにされている」と指摘した。そのうえで「連合・自治労が繰り返し主張してきたように雇用の安定的拡大、賃金の引き上げ・底上げを本気で行い、内需の拡大を行うことが求められ、企業に対しても社会的責任を追及していかなければならない」と春闘への結集を求めた。

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続いて基調講演Ⅰとして岸真紀子自治労本部法対労安局長より「2014確定闘争の中間総括と2015春闘方針のポイント」と題し講演を受けた。

岸局長は2014人事院勧告の取り扱いの全国的な状況について「改定と給与制度の総合的見直しを多くの単組で切り離すことができ、今春闘期が重要なたたかいとなる」としたうえで、総合的見直しは「地方にとってはより一層大きな課題となる」と地域経済への影響等その問題点について改めて説明し、総合的見直し阻止のたたかいの強化を求めた。その他、今春闘の重点課題として、「要求-交渉-妥結(協約・書面協定)」の取り組みをはじめ、地公法改正による人事評価制度への対応や、財務省の動き・予算編成時期を意識しながらの地方財政確立の取り組み、労働者保護ルール改悪阻止への取り組み、臨時・非常勤等職員の雇い止めなど、多岐にわたる課題について、説明し取り組みへの結集を提起した。

 

 

 

DSC_2282引き続き、基調講演Ⅱとして伊藤修埼玉大学経済学部教授より「日本の経済情勢と2015春闘の課題」と題し講演を受けた。

伊藤教授は「今年の春闘は普段と違い猛烈に大事な意味がある」としたうえで、まず『アベノミクス』について「理屈も何もないごちゃまぜの政策。アベノミクスの効果があると考えられているのであれば円は買われて円高になるはず」と指摘した。さらに、統計データを使い日銀から市中銀行へマネーが供給されているが世間に出ていかない構図を説明し、「『生産-消費』の基本的経済活動(実体経済)が元気にならなければお金は出ていかない」とした。また、「2014年4月以降、日本経済は再度失速している」としたうえで「昨年は一時金で賃上げ要求に応えたという傾向にあるが、恒常的所得があがらなければ経済的に意味がない。実質賃金の低下が購買力を低下させ、現在の景気状況を生んでいる」とした。賃上げについては「最低限、物価上昇分以上が必要」とし、「(連合方針の)2%の賃上げでは控えめであり、日本経済のバランスを考えれば3%が望ましい」とした。さらに「賃上げは組合員の生活改善のためでもあるが、日本経済のためにもなる」とし、政策課題については「財源を確保し最低限の社会保障を整備することが庶民の要求でもあり、日本経済のバランス回復にもつながる」とし、賃上げの取り組みだけでなく政策的な取り組みの必要性についても訴えた。

その後、櫛部道本部賃金労働部長から、2014秋期闘争中間総括(案)・2015道本部春闘方針を提起し、酒井総合研究室事務局長から春闘アンケート結果の説明・解説を行った。

全体討論では、公共サービス民間労組協議会から春闘にむけた議論状況や自治体単組と連携した取り組みの必要性について、青年部からは賃金確定闘争や衆議院選挙の取り組みの総括とそれを踏まえた春闘と統一自治体選挙闘争にむけた決意表明がされた。また、連合が2%の賃上げとした議論経過の説明を求める発言や、給与制度の総合的見直しに対する取り組みについて各単組段階で具体的に何を獲得していくのか?等の発言がされた。

その後、櫛部賃金労働部長が答弁し、最後に藤盛副執行委員長が全体のまとめを行ったうえで、引き続く地方本部別春闘討論集会、中央委員会での議論を要請し1日目を終了した。

2日目は「人事評価制度に対する取り組みについて」「総務省通知『臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等について』」の2つの分科会を開催した。

第1分科会では「職員と組織を元気にする人事評価」と題し、小堀喜康氏から岸和田市人事・研修係長、参事として、行政サービスの向上のために職員の能力を引き出し、いかに組織力を最大化させていくかという目的で「人材育成型」の人事評価制度の導入に携わった経験から講演がされた。

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続いて、名寄市職労・日高町職からそれぞれ人事評価制度に関しての労使交渉の状況や実際の運用状況について報告を受け、櫛部賃金労働部長から道本部としての対応方針について改めて提起した。その後、運用単組での課題や、結果を活用する段階での危惧等、意見交換を行い、最後に藤盛副執行委員長が講演の内容や今後想定される総務省の動きについて触れたうえで「2016年4月からの本格実施とされているが、時間はずれ込んだとしてもしっかりと労使間で協議していくことが必要となる」と各単組での取り組みの強化を要請した。

第2分科会では、「総務省通知『臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等について』の解説と活用」と題し北川啓子自治労本部総合民間局組織拡大オルグより講演を受け、2014年7月4日に総務省から出された通知に関して、この間の経過や通知に対する自治労の考え方と総務省通知の注意点、単組における労使協議にあたっての留意点などについて話があった。講演後の質疑討論では、十勝地方本部・全道庁労連などから講演に対する質問や地方本部・単組における現状の報告や本部などに対する要望が4本あった。

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その後、臨時・非常勤等職員の組織拡大にむけて道本部提起を行った後、名寄市職労・網走市労連からは単組執行部より、単組における臨時・非常勤等職員の組織化にむけた決意と取り組み報告、室蘭市職労・札幌市職連からは臨時・非常勤等職員より、単組における臨時・非常勤の活動報告、運動を進める上での課題や基本組織に対する要望などの報告を受け、参加者全体で報告を確認した。