道本部都市連絡会議は6月20~21日、函館市・花びしホテルで「夏季交流集会」を開き、38単組174人が参加した。
はじめに、都市連絡会議を代表し結城代表があいさつし、その後、来賓として中林函館市副市長があいさつした。また、中央情勢報告として自治労本部岸法対労安局長が報告した。
基調講演では、自治労本部・石上総合政治政策局長が「新たな政治対応方針」について、道本部・櫛部賃金労働局長が「給与制度の総合的見直し」について講演し、分科会での議論を行った。
分科会は、「単組代表者」「衛生医療」「保育」「現業公企」「青年」「女性」「賃金・労働条件」の7つの分科会に分かれ議論を行い、
※各分科会での特徴的な意見や議論の内容は下記のとおり。
【第一分科会「単組代表者」】
◆政治課題については「新たな政治方針が提起されたが、どういった対応をすればいいのか難しい」「議員年金、退職金についての課題が出され、深川市職労からは、議員の同年齢の職員と同様額の退職金を支払うこととしており、積み立てを行っている」
◆組織課題について、「新規採用者の組合加入について、当局の説明会時、組合からの説明をする時間を取り加入促進をはかっている」「臨時・非常勤等職員の組織化については、アンケートを実施する中から組織化にむけた取り組みを行っている」また、交通労組・消防協からも発言があり、組織の状況や課題についても発言があった。
◆再任用については、無年金という課題もあり、ほぼ運用がされているが、退職嘱託といった形態を取っているなど単組によって違いがある。また、参加単組中2単組がまだ運用していないとの報告があった。
【第二分科会(衛生医療)】
◆病院職場での組合員加入について、組織率が低い中、函館病職労では、日常的な関わりから100%の組織率をはかっている。
◆再任用者の組織化について、組合費の関係から組織化が進まない。
◆書記局はあるが、常駐する者がいなく相談窓口とはなっていないことから、常駐する日を設定し、組合との接点を取るようにしている。
◆地域医療の課題、自分の職場だけの問題ではなく、地域における医療体制について労働組合として関わる必要がある。
【第三分科会(福祉)】
◆労働局の是正勧告36協定について、取り組みを進める中から単組と現場との距離が縮まった。なかなか現場に入っていなかった反省をしている。
◆子ども子育て新制度について、スケジュールがない中での問題点・課題を協議、また、現場の問題点も話し合い、人員不足、処遇改善の取り組みが必要であることを確認。
◆保育支援員について、子育ての観点ではなく政策的な視点から新しい制度を迎えるにあたって阻害要因となる。
【第四分科会(現業公企)】
◆民間委託が進み職員が減少し希望が見えない中、活性化にむけて議論をしているが「誰かがやればいい」「退職が近く、若い者がやればいい」といった前向きな議論にはなっていない実態にある。
◆現業アクションプランを進めている。地域公共サービスの向上に向けて、職員としてはもとより組合員として関わりを強めていく必要がある。
◆委託問題、公契約条例制定など多くの課題がある。組織が弱体化している中、もう一度、役員と組合員との往復運動を強化し、意思疎通をはかり進めていく必要がある。
【第五分科会(青年)】
◆「青年層が集まることをしきれていない」「集まっても何をやればいいか解らない」「意義が明確でないので盛り上がらない」といった実態にある。この間の採用抑制により採用され年数が浅い者が役員を担うしかない状況であり運動の継続がなされていない問題がある。
◆飲み会には集まるが、学習会には集まらない。日常的に職場の問題点など話し合うことがない中、問題点・課題が明らかになっていない。組織としての目標を設定しコミュニケーションをはかる必要がある。
◆人事評価制度について、「働かない上司や仲間に目がいく」青年層は評価制度に賛成する傾向にあるが、「こなすことが目標になる」「公共サービスが低下する」といった問題があることを確認した。
◆今後、基本組織を担うことからも「今どんな情勢にあるのか」「何が問題なのか」本質を見極めた学習が必要。一層の基本組織の支援・協力を要請。
【第六分科会(女性)】
◆女性の役員登用など女性の進出が進んできている。一方で戸惑いもあり、「財政の仕組み」「議会の仕組み」などの勉強会を求める女性組合員が増えている。
◆女性の登用率など数字を求める必要はあるが、数字そのものではなく内容が大切。役員登用されても不安もあり、複雑な気持ちを持っている。制度だけでなくフォローする体制も必要である。
◆女性の問題を解決するため団結すると進めてきたが、同じ女性でも結婚の有無、子どもの有無など、様々な環境にあり女性というだけで共感できるということにはならなくなってきている。このことが運動の停滞につながってきているのではないか。運動の進め方に工夫が必要。
【第七分科会(賃金・労働条件)】
◆給与の総合的見直しについて、市当局に要請書を提出した際6団体にも提出した方がよいのでないかと当局から話があった。道本部として今後市長会等に提出をする予定。
◆全国市長会の会長に申し入れを行った際、これは知事会の問題だと人ごとの発言もあったことから、地域から声をあげていくことが必要。
◆人事評価の問題が今後大きな課題となる。道本部、中央本部に細かな情報提供を求めるとともに取り組みを強化していくことを確認。
分科会での議論をふまえ、道本部・藤盛副委員長が「当面、『給与制度の総合的見直し』『人事評価』『統一自治体選挙』にむけた課題がある。総合的見直しについて、職場決議の取り組みなど強化していただきたい。人事評価について、どのように制度をつくっていくか求められる。道本部としても情報提供は行うが、単組間の連携を密にしながら進めていただきたい」と改めて取り組みの強化を要請した。
最後に、結城都市連代表が「『給与制度の総合的見直し』『人事評価』の課題さまざまな議論をいただいた。これらの問題点を全組合員に伝えていただきたい。何が起ころうとしているのか、どうたたかいを構築していかなければならないのか単組で議論を深めてほしい。この重要な課題を前にして、都市連として意思統一の場をつくる必要があると考えている。また、『集団的自衛権の行使容認問題』もあるが単組間の連携を強化し取り組みを進めていこう」と2日間の集会をまとめた。