連合北海道公務労協は6月26日、人事院北海道事務局長との交渉を実施した。
冒頭、安田議長(全開発委員長)が2014春闘状況に触れたうえで、人事院で検討されている「給与制度の総合的見直し」に反対する意見を述べ、要求書を手交した。
続いて、大出事務局長(自治労北海道本部書記長)が、「給与制度の総合的見直し」の検討項目である地域配分の見直しの問題点や寒冷地手当の課題等を指摘し、第三者機関である人事院の役割を果たすこと、北海道の実態をしっかりと本院へ伝えることを求めた。
また、超過勤務縮減などの労働諸条件の課題と非常勤等職員の処遇改善についても実効性のある対応を求めた。
次に、各構成産別から大幅な定員削減・組織の統廃合により事業量と人員のバランスが崩れ、超過勤務が増大するとともに不払い残業が多発しており、職員の使命感で仕事が成立しているなど、各職場からの実態が出された。
これに対し、人事院北海道事務局長は「職場の特殊性は人事院として承知していない面もあるため、引き続き指摘願う」としたうえで、給与制度の総合的見直しについては「反対の要請については前回要請を受けた際も本院へ伝えており、今回も伝える。当然にみなさんとの話し合いのうえで検討させていただくものと考える」と回答した。また「民間調査が6月18日に終了し現在、集計中である。民間が良ければ当然に較差が生じるので、較差を埋めるため、適正に配分していきたい」との考え方も合わせて示した。
再任用・定年延長課題については「定年延長が適切と考えるが、現行の再任用制度のなかでも手当の改善などやれることはやっていきたい」とし、定年延長について改正国公法にも触れ「附則に盛り込まれたことは重いものと考える。平成28年度にむけて皆さんと意見交換していきたい」と回答した。
また、その他の指摘・要請事項についても北海道の実態を本院に伝えることや組合と協議する考えを示した。
回答を受けたあと、渡辺連合北海道副事務局長が「今までにない賃上げが実施されている」と春闘情勢にふれたうえで「公共サービスの役割としてどこにいても安心して暮らすことを担保することが重要だ」と訴えた。また「社会の規範たる公務員がこんな状況で働いている実態は改善する必要がある」とし、「各職場・労組で自律的労使関係を築くことが必要」とした。さらに「予算がついても発注できない・受注できないのが北海道の実態であり、それによって北海道の経済発展につながっていないのだとすれば残念なこと」とし、「公務に対する期待は大きい」と道内課題の要請を行った。
最後に、安田議長が本日の要請事項と出された実態を本院に上申することを確認し交渉を終了した。