6月7日、札幌市:自治労会館で第5回目となる「活動家育成講座~土曜講座~」が開講した。
第1課題は、全国市町村職員共済組合連合会職員側代表も勤める、道本部和田組織部長を講師に「共済組合めぐる諸課題について」と題して、共済組合の種類と概要について「自分たちの制度について理解を」と求め、短期給付とりわけ官民比較で優遇とされている付加給付にも触れ「優遇議論がだされているが、その背景や経過をたどれば正当な制度であることを理解することが必要」と話され、長期給付や福祉事業などの共済組合事業についても説明があった。また、民主的な運営を図るための組合会議会の仕組みにも触れて「職側議員、主に自治労から選出いただいているが、そうした運営に私たちが関わることで民主的運営に寄与している」といった、道本部の運動としての重要性にも触れられた。
第2・第3課題は、第Ⅳ講座で行った課題で時間の都合もあり触れることのできなかった「人事院の措置事項案の問題点について」および「等級別職務分類表とわたり問題について」、予定していた内容を変更して、職場で賃金交渉などを行う際に注意すべき点など、実践向きの講義を行った。講師は、櫛部賃金労働部長が務めた。
人事院の措置事項案の問題点は、この間の経過や、見直しに至る問題点、そして措置案の内容など全体で確認し、今後の当面の取り組みとなる第119回中央委員会で提起した内容についても、組合員全員がこの取り組みに結集する必要性や、単組・総支部での諸取り組みや、その重要性について触れられた。続く、等級別職務分類表とわたり問題では、分類表の説明、そして、わたりに関しては、問題認識を深めるために「総務省における『わたり』の定義」や、2009年~2010年に行った「わたり」の諸調査とその取り組み経過と結果について説明された。各自治体においては現在も認識により「わたり」があることを指摘し、そのために「どのように解釈し、対応するか」を含めた対処策についても話された。
また、前回の講座で、それぞれの単組での「モデル賃金」を作成し、提出するよう求めた『宿題』で、その単組における課題と持つべき認識を指摘するなど、より実践的な内容にまで踏み込んだ指導も行い、「提出されていないところは、今後提出いただければ、道本部で分析し、アドバイスする」として、積極的な提出を求めた。
第4課題は、自治労本部総合労働局 多田健太郎副部長を講師に迎え、「地方公務員法改正と人事評価制度について」と、まさしくこれから私たちが取り組むべき課題についての講演を受けた。多田さんからは、地公法改正の経過や、今国会における民主党などの対策と本部としても様々な対策を行ってきたことを紹介された。人事評価制度についても、この4月に制度導入の原則義務づけを行う地公法改正が行われ、その内容と問題点を指摘、本部としての取り組みを改めて確認した。
今講座の内容は、単組における交渉や対策の実践的なところに踏み込んだ内容となっていますし、人事評価制度に至っては、労働者の分断の狙いがあることはもちろんですが、使いやすい労働者を生み出すきっかけにもなりかねません。そのためにも「職員間に差を付けることを目的としない」ことや、「4原則(公平・公正性、透明性、客観性、納得性の確保)、2要件(労働組合の関与・参加、苦情解決制度の構築)の確保を基準とすること」、そして「労働組合がしっかり関与し、十分な労使協議と合意を前提とする」ことが重要です。そのためにも、あらためて産別自治労に結集した取り組みをお願いします。
今回の講座の資料は以下のとおりです。単組・総支部での活用をお願いします。
01 共済制度資料 02 人事院の措置事項案の問題点 03 級別職務分類表とわたり問題について 04 資料 北海道の級別標準職務表 05 地方公務員の給与とその適正化(給与の適正化) 06 平成25年度 級別職員構成の状況(国・都道府県)
以下は、本部多田副部長の資料です。
01 道本部活動家育成講座 02_法案概要 03_26年地公法新旧_抜粋 04_26年地公法条文_附則 05_公布通知(H260514総行公第42号)06 黄川田さん質疑 07 江崎さん質疑 08_人事評価に関する検討会報告書 概要 09_人事評価に関する検討会報告書について 10 人事評価制度に関する情勢と課題 12 国家公務員制度改革基本法 11_2014年度新たな人事評価制度に関する調査結果