2月21日、東京都・日比谷公会堂で「自治労第35回全国町村職総決起集会」が開かれ、全国から46県本部815人(うち女性117人)、北海道から147人(うち女性34人)が参加した。
主催者を代表し飯塚・町村評議会議長は「昨年の国家公務員の臨時特例法に基づく地公への波及については全国の町村658単組のうち287単組が何らかの削減をされたが、そのうちの65%が削減圧縮をさせた。今春闘で改めて要求書を提出し組合員の声をもとに交渉する。自分たちで交渉をして決めるということを確認してほしい。町村評は結成60周年をむかえた。町村評の役割は学習と交流。同じ町村職だからこそ共通の課題がある。お互いの活動に学ぶことを含めて実践をお願いしたい」とあいさつした。
その後、自治労本部・氏家執行委員長が「安倍政権の化けの皮がはがれてきた。政権でも自民党でも誰も安倍首相の暴走を止められなくなっている。これは、かつての自民党でもなかったこと。集団的自衛権の問題では『最高権力者である私が選挙で選ばれたのだから私が決める』ということを繰り返している。これらの暴走を止めるために協力議員と力を合わせ取り組みを強化する。また、人事院報告による給与制度の総合的見直しについては地公給与にも大きな影響を与える。自治労は最大限の闘争体制を構築し総力をあげてたかいをすすめる。最大限の結集をお願いする」とあいさつした。
自治労協力国会議員団を代表し、あいはらくみこ参議院議員は「この国の行く末は極めて危ない方向へと進んでいる。国会審議での安倍首相は横柄で慇懃無礼な態度であり人格が疑われる。質問をしている国会議員の後ろには多くの国民がいるにもかかわらず無視をし続けている。権力を握った自分がすべてを決められると思っている。私たちの国は国民のもの。一人の権力者によって私たちの国を不安定な方向へ行かせるわけにはいかない。政府・与党には圧倒的な数の力はあるが、日本の将来を考えたとき正念場にある。怒りをもって行動しなければならない。現場の声、地域の声を受け止め頑張る」と決意を述べあいさつした。
引き続き、2014春闘にむけ自治労本部・川本書記長が春闘方針提起した。
川本書記長は「安倍首相はアベノミクスで日本の景気を引き上げると言いながら、私たちに何をしてきたのか?民間の景気を引き上げ、一方では公務員の賃金はひきさげる。自己矛盾と言わざるを得ない。2002年2月~2007年10月に戦後、最も長い景気拡大期があったが、この時に地域給、給与水準の見直しが行われ圧倒的に水準が切り下げられた。非正規労働者の拡大が進み、大企業は内部留保に走り、一握りの富めるものにだけ配当が行われた。アベノミクスは企業減税分が労働者全体の雇用・賃金に回ると言い続けているが、私たちの経験から言えば労働者にまわる可能性は低いと言わざるを得ない。一方でアベノミクスのおかげで物価上昇が続いており、さらには消費税の増税が控えている。そうした中で労働者の賃上げ、賃金水準の引き上げは不可欠の課題である。連合は久しぶりにベースアップ、賃上げを掲げ春闘に突入する。3月11日の先行組合の山場にむけ激しい労使交渉がスタートしている。こうした状況にあって今春闘における私たちの課題は地方公務員の賃金水準の回復と言うこと。この間、要求書を提出し、交渉を行う。そして妥結をし、確認したことを書面化していく。本来であれば通常行われている労働組合の原則的行為をこの数年間自治労は大きな柱として取り組んでいる。改めて全単組で要求書を提出することから春闘をスタートさせていただきたい。また昨年、人事院から報告がされた総合的な賃金制度の見直しはさらなる地方公務員の賃金引き下げにつながるものであり、見直しをさせない取り組みを春闘期から進めていかなければならない。現在、みなさんにお願いをしている署名行動をはじめ各種取り組みをお願いしたい。あわせて町村の中でも大きな課題となってくる雇用と年金の接続の課題、臨時・非常勤等職員の処遇改善にかかわる課題についても職場での真摯な議論をお願いしたい。そして、地場、中小民間のたたかいをしっかり支えるということが、私たちの賃金制度が人事院に大きく影響される中で非常に重要なたたかいである。現在、たたかいをすすめている民間の賃金水準が最終的には私たちの賃金水準にも大きく影響をしかねない課題であるということを改めて春闘期に意識をしてとらえ返していく必要がある。 厳しい環境ばかり伝えているが、特に国政の場は自公政権が圧倒的な力をもっており、非常に厳しい中でのたたかいになっていく。そうした中で改めて組織の力を高めていく事が重要だと思う。この春闘期、それぞれの単組でしっかりと組合員が結集できる取り組みを実施し、一歩でも二歩でも前に出る取り組みをお願いしたい。そして町村評の運動の歴史でもある組合員に顔の見える、地域住民に顔の見える運動を追求していただきたい。私たちの組織の力を見せることは強大な安倍政権、政府与党に楔を打つことにもつながる。春闘期から町村評のみなさんが全国の先頭にたって運動を構築いただくことをお願いする」と情勢や町村評に期待することも含めて提起した。
その後、総務省交渉および町村会交渉の報告、自治労本部・杣谷副委員長が60周年記念スピーチを行ったあと、「給与制度の総合的見直し」の動向について全体学習会を実施した。その後、各県本部等から今後にむけた決意表明を受け、飯塚議長の団結ガンバローで集会を終了した。
集会終了後は3梯団に分かれ「地方交付税の削減反対」「臨時・非常勤等職員の雇用確保」「町村職員の賃金格差是正」などを訴え、デモ行進および国会請願行動を実施し全体日程を終えた。