自治労北海道公共サービス民間労働組合協議会は9月7日、札幌市・自治労会館で「第19回定期総会」を開き、13単組34人が参加した。

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鷲津議長

はじめに、主催者を代表して鷲津議長が「第23回参議院選挙は自民党が圧勝し、自公が過半数を獲得、ねじれ国会が解消された。その自公政権の中で地公給与の削減が大きな課題。各自治体単組ではさまざまなたたかいを展開しているが、公共民間職場においても特に自治体準拠とされている事業所について、経営状態に関係なく、ただ単に自治体職員が削減するからという極めて一方的な理由で削減提案をされている職場が増えている。単組の取り組み方や交渉力の力量によって妥結内容に差が出てくる。一概に一括りにできることではないが、執行部を中心に組合員の力を結集することで提案内容を少しでも押し戻すことができる。単組・地本・協議会・道本部が情報を共有して一体となった取り組みが求められている。また、労働法制の規制緩和について雇用の柔軟性や多様な働き方の実現のためということで一見もっともらしい目標を掲げているが、実際には労働者の地位を不安定にして使用者側からの不利益変更を安易にできる内容だ。先の総会でも課題としてあがっていたが、取り組む姿勢としてまだまだ不十分と感じている。労働三法の基で働く私たちにとっては大きな課題。道本部とも連携を取りながら進めていかなければならない」と述べあいさつした。

 

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藤盛・道本部副委員長

続いて藤盛・道本部副執行委員長が「参院選について自治労組織内のあいはらくみこさん、北海道選挙区の小川勝也さんをそれぞれ当選させることができた。皆さんの努力にあらためて感謝する。北海道、自治労は何とか議席を確保したが全体の状況は極めて厳しい状況になった。ねじれが解消し、法律が成立することはいいことだが、問題はどういう法案が成立するかということだ。労働法制の改悪の問題、TTPや憲法を含めた平和に関わる問題など、国民にとって極めて重要な課題について、自公政権のもと数の論理で通ってしまう状況にある。しっかりと政党とも連携し、国民全体の世論としてどう運動をつくっていくのかが勝負になる。道本部としてもしっかりと取り組む。また、地方交付税削減について議論がすでに始まっており、現在の歳出の特別枠1.5兆円を削減する動きになっている。秋の臨時国会で議論がされ、最終的に地方の全体の財政の総額を決めるのが12月頃になる。したがって今後さまざまな議論がされてくることになると思われる。道本部は地方議会、地方連合のみなさんとも連携し、この問題を秋における最大の問題として取り組みを進める。これらの課題についても是非共有化をしていただきそれぞれの地域でそれぞれの立場でこの運動にもご尽力をいただくようお願いしたい」と述べ、あいさつした。

その後、経過報告、活動方針、新役員体制を提案しすべて満場の拍手で承認後、さっぽろ公共サービス労組より「労働組合も、もっと公契約条例の制定に意識を持つ必要がある。時間はないが制定に向けた署名の協力を」と訴えたのをはじめ、12単組より現状についての報告をうけ、最後に「様々な課題の解決と処遇改善に向けて一層の組織の強化発展をめざそう」と鷲津議長の団結ガンバローで総会を終了した。

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【新 役 員】

議 長   鷲津 克之(室蘭福祉事業協会職員労組)

副議長    北眞 泰利(北海道環境施設ユニオン)

         石田トモ子(北海道福祉ユニオン)

         田尾  悟(旭川浄化労組)

         高橋 直樹(名寄市社会福祉事業団職員労組)

         川端 政宏(全北海道指定自動車学校労組協議会)

事務局長 上戸  等(南部檜山衛生処理組合職員労組)

 

引き続き9月8日に行われた「全道学習会」では、2月に開いたセミナーの続編として「交渉力アップセミナーPARTⅡ」として要求の確立と労使交渉の実践と組織力を高めることを目的に開いた。

はじめに、松岡事務局次長が、要求書の作成、模擬団体交渉に向け基本的な事項について講義した。

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松岡次長は「会社の経営の分析、財務の状況を確認することも必要」「合意事項は事務折衝ではなく団体交渉で決めることが大事、また労使の協定は双方の署名があってはじめて効力が発生する。回答書をもらって良としているところもあるが、法的には何の効力もなく、あくまでも回答は回答であることをふまえ交渉を行い、合意内容を書面にし残すことが重要だ」と交渉の重要性について話した。

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模擬団交にむけて、職場実態や課題を討論する参加者

20130908公共民間学習会-3-1611その後、参加者は職種・経験別に6グループに分かれ、自分の職場実態をもとに職場の課題を議論し、要求書を作成、労働者側・使用者側の立場で模擬団交を実施した。

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模擬団交のようす

模擬団交後の感想では各班に共通していたのは「相手を説得、納得させるだけの根拠をもって交渉する必要性を感じた」「要求をだすだけではなく具体性を持って提出する必要がある」など今回の経験をとおして要求づくりの大切さや当局と対峙するときに必要な要求の根拠や法令などを明確にすることの重要性などが出された。また、はじめて参加した仲間からは「自分はまだ団体交渉をしたことがないが、セミナーをとおして学んだことは自分にとって有意義でプラスになった」と感想が出された。

最後に鷲津議長が「今後、秋闘も春闘もある。要求書作りがまずスタートになる。少しずつでも前に進んでいこう」と集約した。