文部科学省は「義務教育諸学校教科用図書検定基準及び高等学校教科用図書検定基準の改正案」を発表し、パブリック・コメントの募集を12月25日に公示、開始しました。このパブリック・コメントを経て1月中に告示をし、来年度の中学校用教科書の検定から適用するとしています。

文科省は今回の検定基準改正案によってバランスがとれた教科書をめざすとしていますが、諸外国の強い反発が予想される村山談話の改定ではなく、教科書検定基準を改定することによって、実質的に安倍首相などが主張する歴史認識に近づけようとするものと言えます。

たとえば慰安婦問題を含む戦後補償は解決済み、尖閣諸島や韓国が実効支配する竹島、ロシアが支配する北方四島は日本領土と記載されるおそれがあります。これらの問題に当該国間で議論があることは自明であり、そのことを抜きに政府見解だけを一方的に教えることは、子どもたちの将来にとって問題を残すものになります。

また、教科書改革プランが示されてから開かれた審議会総会はわずか2回であり、委員からは「国定教科書につながるものになることが危惧される」との意見も出されており、十分な議論が尽くされているとは言えません。

自治労は、平和フォーラムの要請を受けて積極的に取り組みを進めることとしており、道本部としても日程的に限られたものとなりますが、積極的な取り組みをいただきますよう、お願いします。

1.送付方法

(1)提出手段 電子メール

(2)提出期限 2014年1月14日まで

(3)提出先 文部科学省初等中等教育局教科書課

「意見提出のフォーム」や「検定基準改正の概要」は、下記のURLをクリックしてください↓

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000672&Mode=0

 

2.意見提出様式(上記URLの「意見提出のフォーム」より)

①名前・性別・年齢・職業・住所・電話番号は任意となっていますので、記入しなくても結構です。

②意見(【検定基準改正案への意見】と明記した上で、記入をお願いします)

 

3.文例:以下の内容を参考にしてください。

・さまざまな立場からの意見をもとに慎重な議論が必要であり、拙速な「改正」はすべきではない。

・近現代の歴史については、加害と被害両面からの視点が必要であり、政府見解のみを記述すれば歴史や領土問題について偏った見解を押し付けるものとなる恐れがある。専門的見地や他国の見解なども同時に載せるようにすることを併せて示すべきである。

・「判例や政府見解がある場合にはそれに基づいた記述がされていること」は、判例や政府見解以外のものを排除することにつながり問題である。また、そのときの政府の考えによって教科書の記述が限定されることになりかねない。政府見解に特化せず、様々な見解をバランスよく載せるとの表現にすべきである。

・「特定の事項を強調し過ぎる」、「通説的な見解がない数字」は客観的に判断することが難しいうえ「政府見解に基づいた記述がされていること」となれば、教科書会社が政府の意図に添った記述にせざるを得なくなり、自主規制につながる。編集者の表現の自由を尊重するべきである。

 

4.取り組みの報告

以下の書式で、FAXにて報告をお願いします。

報告用紙