2017年3月25~26日、札幌市・北海道自治労会館で開催され、5産別1団体35人(うち自治労16単組・総支部28人)が参加した。
1日目は、実行委員会あいさつの後、基調提起があった。
基調提起では、「働き方改革により、長時間労働の是正にむけて取り組みが進められているが、業務量の減少や人員増がともなわなければ、労働者はより短い時間で仕事をこなさなければならず、労働密度の増大か隠れた残業のいずれかの方法で労働者による自己解決がはかられるだけ」と働き方改革が政府・資本にとって「使い勝手のいい働かせ方改革」であることが話された。また、「労働者が自己解決を重ねている限りでは、経営側から改善を引き出すことはできず、“もう限界だ”と声をあげていくことが必要」と強調された。
その後、分散会討論を行った。分散会討論では、「休むと翌日膨大な書類が机に乗っかっており休むのが怖い」「時間外手当が予算上限により満度に出ないにも関わらず、毎日遅くまで仕事をし続け、ツラさで退職した。退職する際に「職場にボロボロにされた」と言って辞めた仲間がいる」と過酷な職場実態が明らかになった。そのなかで、「働かない人に腹が立つ」「メンタルにより休職になった人の仕事が振られ、忙しくなった。そのことで休職している人への文句も職場で出されている」と職員同士に目が向く青年の率直な思いも出された。また、職場でパワハラにあっていた仲間は「誰に相談しても意味ないと思い、本気で転職しようと思っていた」など労組が困ったときの受け皿になり切れていないことも課題として出された。
2日目は、JP労組の吉沢政紀さんから「働き方改革のねらいと私たちの課題」と題して基調講演を受けた。
講演では、「今の社会は労働者の善意につけ込んで労働力をタダで使おうとしており、それは搾取である。また、成果主義があたり前の社会では社会的に許されるかではなく、お客さまや地域住民のためでもなく、「自分の評価にいかに結びつくか」が基準となり労働者同士に目が向けられる状況になる。私たち労働組合は成果主義と自己責任論に抵抗することが任務であり、一人ひとりを大切にする社会をめざそう」と話された。
最後に、斉藤実行委員長が「今の社会では、「仕事だから仕方ない」「予算がないからサービス超勤も仕方がない」など労働者の善意によって成り立っている。しかし、過酷な労働条件に耐えられず、メンタル疾患で休職や退職してしまう仲間がいるなど職場は限界を迎えている。改善していくためにも、私たち自身が仲間とともに“もう限界だ”と声を上げていくことが必要」と集約し、団結ガンバロウで終了した。