「公務労協2017春季生活闘争・2017年公共サービスキャンペーン開始2.23中央集会」は2月23日、東京都・TOC五反田メッセで全国から300人(道本部から2人)が参加し開催された。

集会冒頭、川本公務労協副議長(自治労中央執行委員長)より主催者を代表してあいさつがあり、川本副議長からは「円相場については円安方向にむいており、日本経済においても輸出が持ち直している状況にある。政府が2月にGDP速報を示し、実質、名目ともにGDPは4四半期連続でプラスになっているが、その要因は外需が伸びたことで、内需、個人消費の寄与分は押し下げの効果となっている。一方、内閣府が示した中長期の経済・財政に関する試算を示したが、政府公約である2020年のプライマリーバランスの黒字化の目標達成は困難な状況であり、公共サービスへの影響を考慮しない新自由主義的な財政健全化の動きを私たちは警戒する必要がある。世界経済の先行きは不透明であり、日本にも少なからず影響が及ぶことを常に意識しながら2017春季生活闘争をこれまで取り組んできた「底上げ」「底支え」「格差是正」の実現をめざして、春闘の流れを継続していく、社会全体に広げていくたたかいになる。2019年10月に予定されている消費増税のときに内需の減少、デフレへの回帰があってはならない。今回のたたかいは向こう3年間を見据えて企業、家計の足腰を強くしていくためにも、賃上げを継続していく必要がある。あわせて現在、「働き方実現会議」において3月を目途に検討がされている。主な課題は長時間労働の是正と同一労働同一賃金についてである。正規と非正規の格差解消、正社員の長時間労働の問題は長い間、指摘されてきた問題であり、今こそ正面から取り組んで行く必要がある。このことは法律で規定するだけの問題ではなく職場におけるワークルールとしてつくりあげ守っていかなければならない。引き続き春闘における労使交渉、実現会議における連合からの意見反映を行っていく必要がある。良質な公務公共サービスを確実に実施していくためには、働き方改革について公務部門自身が率先して進めていく必要がある。」と話した。

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続いて行われた講演では、「東日本大震災からの復興の現状と課題」と題して恩田復興庁参事官より受けた。恩田参事官からは、「震災から6年が経過し、宮城・岩手ではインフラ復旧はおおむね終了したが、被災者の心身のケアや産業の再生が重要になっている。福島においては避難指示を順次解除し、住民の帰還に向けた環境整備を進めなければ復興は始まらない。避難者は当初の47万人から12万7千人まで減少したが、避難の長期化にともなう心身の健康維持が課題であり、相談員の見守りなどにより、医療や心身のケア、孤立化防止などの取り組みを実施している」と被災地の現状と課題について話があり、最後に「東日本大震災を風化させてはいけないし、現実に風評被害があることを認識していただきたい」と熱く訴え講演を終えた。

その後、逢坂誠二衆議院議員より「公共サービスを取り巻く財政・政治情勢について」と題した講演を受け、逢坂衆議からは「現在の公務を取り巻く状況については相当心配をしている。なんでもかんでも効率性ではできない。民間になんでもやってもらえれば良いと本当に言えるのか疑問である。短期的に見て効率的なものでも中長期的に見た時に本来あるべき姿や本質を失うこともあるのではないか」と具体的な事例を示しながら、効率性や数字だけでははかることのできない価値について説明をしながら、安倍政権の進める政策が本当に国民のためになるのかと疑問を呈した。また、安倍政権の経済政策の限界や共謀罪の問題点、解散総選挙の時期、報道の在り方などについて話があった。

最後に吉澤公務労協事務局長より、公務労協として2017春季生活闘争にむけた基調提起を行い集会を終えた。

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