本日、2月3日午前9時30分から札幌市・自治労会館で「自治労北海道本部第124回中央委員会」を開いている。
本中央委員会では、「2016秋期闘争中間総括」「2017国民春闘」「当面の闘争方針」など9本の議案について討論し、17時に終了する予定。
開会にあたり、大出委員長は、「2017国民春闘」「働き方改革・総務省臨非研究会報告」「政治闘争」の3点の運動課題に触れあいさつした。
第一に、2017国民春闘について、「自治労本部は1月26~27日に第152回中央委員会を開き、自治労としての春闘方針を決定した。道本部、国民春闘アンケート結果の要求額10,588円という、組合員の生活実態を反映した要求を勝ち取るためにも、地域春闘に結集しつつ、単組・総支部・地方本部での『一企画』運動で、全組合員が何らかの形で春闘に参加する取り組みを全道で展開しよう」と呼びかけたうえで、春闘をめぐる経済・国内情勢に触れ、「今後の財政状況に関しては、社会保障と並んで、地方財政等の削減圧力が強まっていくことが想定され、公務員人件費をめぐる議論にも警戒しなければならない。今後、アメリカ発の世界情勢が、日本経済、財政等にどのような影響を与えていくのか、アベノミクスの大きな牽引力として期待していたTPPが消えた今、当たり前の景気浮揚策である『賃上げ』を私たちが堂々と胸を張って主張していくことが重要だ」と述べた。
第二に、働き方改革・総務省臨非研究会報告について、「『同一労働同一賃金』『長時間労働の規制』『子育て・介護と仕事の両立』と耳にここち良い言葉が並んでいるが、これらは全て、私たちが求めてきたも。しかし、その内容と目的では大きく食い違いがある。聞こえの良い言葉の裏側には、『働き方改革』によって、女性・高齢者などの労働力確保と、裁量労働制やホワイトカラーエグゼブション(残業代ゼロ法案)、解雇の金銭解決を可能とすることで、生産性を向上させることに尽きると言える。いまこそ労働組合としてこの課題に真正面から向き合い『働くことを軸とする安心社会』の実現に向けて、運動を展開しなければならない」と訴えた。また、総務省の「地方公務員の臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等の在り方に関する研究会」報告について、「地方公務員法と地方自治法改正案が通常国会に提出される予定である。現在、非常勤職員に対して支給できないとされている手当等の支給が、新たな制度のもとでは可能とするなど、今回の見直しの動きを一定評価しつつも、現在、全国の自治体で働く64万5千人の臨時・非常勤等職員の雇い止めや、賃金・労働条件の引き下げとならないよう、取り組みを強化しなければならない。私たちが求めてきた、安定雇用と処遇改善にはまだまだ道半ばであるが、この間、あいはら・えさき両参議を中心に本部が粘り強く国会、総務省対策を行ってきた一定の成果だと認識している。法の谷間に置かれていた、隣で働く仲間の処遇改善、安定雇用に繋がっていくよう、本部に結集し、運動を強化してことと、合わせて組織化の取り組みの強化を各単組・総支部、地方本部に強く要請する」と述べた。
第三に、政治課題について、「昨年7月の参議院選挙において、自治労は組織内・えさきたかしの再選を勝ち取ったが、政治の状況は、『改憲勢力』が憲法改正発議に必要な3分2を上回るという極めて厳しい状況にある。年末・年始に囁かれていた解散総選挙は、2017年度予算が成立後の3月とも、東京都議会選挙を経て秋とも言われており、準備をしなければならない。今通常国会の課題は、2017年度予算、『働き方改革』などの労働基準法改正、憲法改正問題、天皇退位のための特例法、衆議院選挙の区割り見直し、強行採決されたIR推進法を踏まえた具体的法整備などに加え、『共謀罪』を新設する組織犯罪処罰法改正案がある。組織犯罪処罰法の改正は、恣意的な運用によって基本的人権が制限される危険性があり、市民団体や労働組合も標的とされることが危惧される。これらの課題や、地方自治を否定する沖縄辺野古新基地建設問題や原発再稼働、輸出、原発回帰路線などの課題を、多くの道民に訴え、世論形成の取り組みこそが、総選挙へ向けた極めて有効な準備といえる。連合北海道、北海道平和運動フォーラムに結集し、取り組みの強化を全体で確認し合いたい」と述べたうえで、「安倍一強体制を打破するためにも、私たち自治労の政策の実現の代弁者をしっかり獲得する必要があ。『中道』『リベラル』勢力の危機であるいま、自治労が先頭に立ち、多くの市民団体・仲間としっかりと団結し、この逆風に立ち向かっていこう」と訴えた。