函館市役所職員労働組合が、1月28日(土)に函館競輪場テレシアターにおいて、「~地方自治が崩壊!?~地方自治から考える憲法学習会」を開催し、約200人が参加する中で講演会やパネル討論会を行った。
学習会は、自民党の憲法改正草案をベースとした憲法改正議論が本格化する中で、地方自治の観点から現行憲法の重要性や改憲草案の問題点を学ぶことを目的に開かれた。『自民党「日本国憲法改正草案」と地方自治』と題した講演で、名古屋学院大学の飯島教授から、「改正草案は、①自治体の権限の弱体化、②自治体には国への協力義務を課す、③市民を国に協力させることを可能としており、仮に戦争が起これば、法的に自治体や市民が戦争に巻き込まれる可能性があるとし、地方自治の保障は重要だ」と訴えた。
パネル討論には、自治労組織内の逢坂誠二衆議院議員、長田秀樹北海道平和運動フォーラム代表、自治労北海道本部から難波副執行委員長が登壇し、逢坂氏は「憲法改正草案は自治体や住民をコントロールし、国のいいなりにするもので方向性が間違っている。自治は民主制を支える上で不可欠なものだ」と指摘し、改憲草案の危うさを指摘した。
また、長田氏は、教育の現場や沖縄の現状から問題点を訴えた。難波副委員長は「現行憲法は、戦争を起こさないための抑止力であるが、改正草案は戦争を可能にするものだ。最近、ある自治体では、職員研修の一環として自衛隊の体験入隊も行われ、有事には自治体が自衛隊の傘下に入るなど、職員の意識づくりに変化が出ている」など、自治体の職場から危機感を示した。
最後に講師の飯島教授から、改正草案の内容や憲法改正問題を自治体職員・住民がどう考え、どう行動していくかが非常に重要だとの集約があり、学習会を終了した。