2017年1月9日、札幌市・北海道自治労会館で「自治労北海道本部2017年度政治集会」を開き、110単組・総支部245人(うち女性20人)が参加した。
主催者を代表し、大出・執行委員長は「参院選の結果を基に総括し、次のたたかいにつなげなければならない。本集会で政治闘争の意義を学習し、多くの組合員に伝える運動を強化していこう」と述べあいさつした。
学習①は「政治闘争の必要性と今後の課題」と題して、石上千博・自治労本部総合政治政策局長が講演した。
石上局長は、「2017年度政府予算案・地方財政対策」のポイントを解説しながら「2017年年度の地方財政について、一般財源の総額は2016年度よりプラスで確保することができたが、中身を見ると交付税が減額され臨時財政対策債が増額となっている。このことは、2016年度の税収が予算を大きく割り込み(約1兆7000億円)、交付税特別会計の繰り越し1兆5000億円がゼロとなったことから、交付税確保が難しくなったものである。税収の大幅減からもわかるとおりアベノミクスはすでに終わりをむかえている。」と強調した。さらに、「トップランナー方式は、何の手続きもなしに選出されたメンバーで構成する、経済・財政一体改革推進委員会から出されたものだが、この人たちの議論が国の骨格に関わる方針に大きく影響していることが問題である。2015骨太方針にあるインセンティブ改革の考え方に私たちも巻き込まれているのではないか。公共サービスとは何か改めて議論することで今の政治を変えていかなければならないポイントが見つかるのではないか。」と説明した。最後に「自治体における予算確保のためには、組織内や協力議員の存在は必要不可欠であり、そのためには政治闘争を強化しなければならない」と締めくくった。
学習②は「国会における自治体職員を取り巻く情勢」と題して、自治労組織内・あいはらくみこ参議が講演した。
あいはら参議は「内閣委員会で公務員賃金について2回質問に立ったが、自治体現場を理解していない議員が多い。自治労組織内議員は、組織拡大専門員と同じで、自治体現場の課題や問題を理解する議員を増やしていくことも重要な役割。どこの地域にいても、安心・安全な公共サービスを提供するため自治労の役割は重要。いま自治体現場で抱えている課題や現場の声を国会に届ける役割を今後も担っていく」と述べた。
学習③は「戦争法と地方自治体」と題して、自治労組織内・えさきたかし参議が講演した。
えさき参議は、「地方分権一括法などにより、地方自治体が戦争に関する何らかの事務をさせられる可能性が高い。安全保障関連法案の審議で負けたのは、安倍政権に数の力を与えてしまった結果であり、これまで選挙で負け続けた結果である。そのときの有権者の投票結果が子や孫にまで影響をおよぼすのが民主主義国家である。あとになって何かできたのではないかと後悔しないよう、今後の自治労運動を取り組んでもらいたい」と述べた。
最後に、難波・副執行委員長が「道本部では参院選の取り組みとして学習会の開催を提起したが、学習会を開催した単組は少なかった。政治闘争の必要性について、選挙があるときだけではなく、常日頃から学習をしていかなければならない。労働者の生活向上に政治は不可欠であり、法律を変え、政治を変え、社会全体を変えなければならない。住民福祉の向上、豊かさが実感できる社会をつくるには自治労の責務は大きい。政治・社会を変えるため今後も運動を強化しよう」とまとめた。