10月27日、札幌市ロイトン札幌で連合北海道第29回年次大会が開かれた。本年次大会は、昨年10月の第27回連合北海道定期大会で確認してきた2年間の運動方針について、この一年間どう実践してきたのかを振り返り、向こう一年間の課題を確認することが主要課題となる。

大会①

大会では出村会長は「参議院議員選挙、北海道選挙区では、連合北海道として推薦をした徳永エリ参議院議員の再選を果たすことができた。また、民進党北海道として鉢呂よしおさんも当選することができた。合同選対の調整機能等について課題はあるが、北海道においては、安倍政権の継続を望まない、道民世論が大きくなってきていることの証左ではないか。民進党も蓮舫体制がスタートした。再び政権交代を担える政党になれるよう期待する。そのためには、参議院議員選挙の政策で示したアベノミクスに変わる人への投資を中心とする政策の進化と格差社会を転換していく道筋を示してもらいたい」と述べた。

出村また、働き方改革については「安倍内閣は、『最大のチャレンジは働き方改革』であるとして、その検討の場となる『働き方改革実現会議』を設置し。『同一労働同一賃金』『長時間労働の是正』『女性・若者・高齢者の活躍』などを課題として掲げている。連合はかねてから、『働くことを軸とする安心社会』の実現にむけ、全ての働く者の雇用の安定、公正な労働条件の確保を求めている。今回のテーマは、私達が求めている政策と共通する課題が含まれており、その意味で、連合がこの間主張してきたことがやっと認められたとも言えなくもないが違和感がある。それは、安倍政権がこれまで進めてきた労働政策である。昨年、連合が反対してきた労働者派遣法を無理矢理成立させた。同一労働同一賃金推進法は、『均等待遇』を『均等・均衡』と修正する等骨抜きになった。そして、さらには今次臨時国会に継続審議として『高度プロフェショナル法制』と企画型裁量労働制の対象業務の拡大と要件の緩和が引き続き提案されていることにある。さらには、解雇の金銭解決制度が検討されている。結局のところアベノミクスが行き詰まり、アベノミクス、成長戦略成功のための働き方改革である。それ故、賃金引き上げと規制緩和、トリクルダウン政策が混在、同居している。問題は、『誰のための、なんのための働き方改革なのか』と言うことであり、『働かせ方』の見直しである」と指摘し、連合北海道は、働くものの立場にたった「働き方改革」を実現できるよう全力を尽くすと述べた。

次に、春季生活闘争について、「2016春季生活闘争では、すべての働く者の賃金の「底上げ・底支え」と「格差是正」が不可欠との認識のもと、「底上げ春闘」の旗を掲げてたたかいを進めた。その結果、定昇込み加重平均で、4,897円、1.94%の賃上げ回答を引き出すことができた。要求の趣旨からすれば充分とは言えないものの賃金水準を引き上げたことの意義は大きい。さらには、非正規労働者についても昨年を上回る賃上げを実施したことや、企業規模間の賃上げ率の乖離を縮小したことは、「春闘」の歴史の中でも特筆できることである。ただし、規模間や非正規労働者の賃金格差は依然として大きいものがある。非正規雇用労働者や中小企業で働く仲間の「底上げ、底支え」「格差是正」をより一層重視した取り組みが必要であり、引き続き月例賃金の引き上げに取り組むことが何より重要である」と述べた。

さらに、給付型奨学金の導入について「奨学金の問題は喫緊の課題であり、北海道から持ち上げっていった課題でもある。『クラシノソコアゲ』キャンペーンとして、『働き方改革』『ワークライフバランス』の実現と合わせて世論喚起にむけた運動を追求していく」と決意を述べた。

TPPに関する国会、特別委員会の議論について「昨日26日に地方公聴会が札幌で開催された。『他国に先駆けて承認し、早期発効に弾みをつける』とし、近日中の衆院通過をめざしているとの報告があった。連合は、この間、『北海道TPP問題連絡会議』や『TPP問題を考える道民の会』などと連携し、十分な情報公開と説明、国会決議の遵守を求めてきた。国会での強行採決は言語道断であり、十分な審議、情報公開を改めてこの場で強く求めたい」とあいさつした。

全体