本日、9月29日午前9時から札幌市・ホテルポールスター札幌で「自治労北海道本部第58回定期大会」を開き約600人が参加している。
大出委員長は冒頭「相次いで北海道に上陸した台風によって、甚大な被害を受けた。住民の安全・安心と地域機能を復旧させるべく、昼夜を問わず業務に従事された自治体職員、消防・医療職員をはじめ、すべての皆さんに敬意を表します。あらためて、自治体としての人的な補充など、多くの課題が明らかになった。今後の運動への大きな教訓としていく。道本部として提起している『災害救援カンパ』の積極的な取り組みを要請する」と述べたうえで、「経済闘争」「政治闘争」「組織強化」の3点の運動課題に触れあいさつした。
第一に、経済闘争について「2016人事院勧告は、三年連続となる月例給・一時金の引き上げとなったが、俸給表プラス改定の実感や効果が薄い状況となっている。また、扶養手当における配偶者分の減額は、政府からの要請を受けた人事院が、民間における家族手当の支給実態と大きく乖離している勧告に盛り込むこと自体が大きな問題であり、第三者機関としての存在価値を、人事院自らが放棄したに等しい」と批判した。また、安倍政権が進めるアベノミクスについて、「26日に開会した臨時国会で安倍首相は『アベノミクスの加速』を訴え、『1億総活躍』と高に称して、『残業代ゼロ法案』や、金銭による解雇を可能とする法案を準備している。安倍政治の本質を見抜く必要があり、社会的な世論喚起にむけた取り組みを道本部として積極的に展開していく」と決意を述べた。
また、2016確定闘争では「組合員の期待に応えるべく人勧を最低限としながら労使交渉を強化しなければならない。国民春闘においても『労働者の賃上げによって、内需を拡大することが今こそ必要である』という原点に戻った、労働者総がかりのたたかいの一角に自治労北海道本部として参画する覚悟を確認し合いたい」と参加者に訴えた。
第二に、参議院選挙をはじめとする政治闘争について、「目標は達成できたが、“勝ったからそれですべて良し”とはならない。北海道選挙区は、党公認候補2人擁立し2人当選に導いたのものの、方針・戦略の変更に伴う組織対応など、3年後のたたかいにむけて総括すべき点は多くある」と述べた。また、「比例代表選挙について、北海道で組織内『えさきたかし』さんは、29,231票を獲得し、前回6年前より率にして30%伸ばしたが、道本部に結集する組合員5万1千人、家族、関係団体、OBを含めるならば、10万弱というなかで、29,231という数字の持つ意味がどうなのか厳しい見方もしなければならない」と議論を深めるよう要請した。また、「私たち公共サービスに従事する労働者の結集体である自治労は、常に政治とむき合わなければならない。政治闘争は日ごろの労働運動との密接な関係性があることを、全体で考え合う契機にしなければならない。安倍政治に終止符を撃ち、国民・労働者のための政治を取り戻すためのたたかいと位置づけ、運動と政治との関連性を組合員に訴えることを意識した取り組みを強化しよう」と訴えた。
第三に、組織強化について、道本部は「組織強化拡大推進委員会での議論や道本部役職員の地方本部担当制などで、単組の組織実態や課題を把握し具体的な課題克服にむけた取り組みを進めてきた。組織強化・拡大第13次長期計画において、最重点課題と位置けている『次代の担い手育成』『新規採用者の組織化』『非正規労働者の組織化』に加えて、『地方本部の統合・再編』の実践を提案する。活動家の配置や財政問題を克服するために地方本部再編に全体で取り組み、もう一度『次代の担い手育成』『新規採用者の組織化』『非正規労働者の組織化』加えて、男女がともに担う運動を推進する立場で、女性活動家の育成という道本部組織建設を全体で取り組んでいこう」と訴えた。