2日目を迎えた自治労第151回中央委員会は、昨日に引き続き議案に対する質疑討論が行われている。

議案にかかる質疑では、おもに①参議院議員選挙闘争の強化について、②人事院勧告期闘争について、③人事評価制度の結果の活用をはじめとした総務省対策、④今後の賃金闘争について、⑤担い手育成―などの課題を中心に各県が活発な議論を展開している。

 

北海道からは難波副執行委員長が、本部方針を支持・補強する立場で、非正規職員の組織化・処遇改善について、賃金闘争について、政治闘争について発言した。

 

DSCN38741.非正規職員の組織化・処遇改善の取り組み

道本部では、この間、非正規労働者組織化と処遇改善の取り組みを進めており、2015賃金確定闘争から今春闘にかけて、賃金関係で42単組、休暇制度関係で13単組が処遇改善を勝ち取っている。

特に、日高町職では、フルタイム職員の日給制から月給制への移行をはじめ、時給単価アップ、病休の付与を勝ち取っており、この処遇改善の取り組みを通じて組織化につなげた。このように、道本部では徐々にではあるが組織化の結果も出始めている。

そんな中、道本部では、この4月からは組織拡大担当の臨時執行委員を配置し、対策強化をはかり、更なる組織拡大に取り組んでいるところであり、北海道本部として10万人組織化にむけた決意を新たにしている。

非正規労働者の処遇改善には、法整備が必要なものが多数あることから、自治労本部にはこれまで以上に国会対策をお願いする。

 

2.賃金闘争について

(1) 2016人事院勧告について

配偶者に係る扶養手当について昨年の民調の調査項目に家族手当の支給状況が加えられ、2015人事院報告では「扶養手当の支給要件を見直す状況にない」と報告された。しかし、11月以降、人事院に勉強会が設置され、配偶者に係る扶養手当の見直しについて議論がされ、2016年度の民調項目にもあげられている。公務員連絡会・自治労としても民間実態を踏まえた対応を求めているところだが、仮に強行されれば、公務の場合は他の手当や給料表に配分するということになるが、民間が追随するとなれば単純に廃止とされる恐れもあることから、配偶者に係る扶養手当の取り扱いについては地域地場賃金に多大な影響があることを認識し、安易に配分議論とすることなく、慎重な対応を要望する。

(2) 総務省対策について

2015賃金確定闘争では北海道においても多くの単組で越年改定が余儀なくされた。今後の課題として、各単組のさらなる交渉力強化は当然と考えるが、総務省からの通知や情報が、決着の遅れにつながったのも事実としてある。また、この4月から導入が義務付けられた人事評価制度については北海道では地公法改正前の導入状況は8%と非常に低い状況にあった。小泉構造改革により、極限まで人員を削減し、給与の独自削減についてはピークの2007年には116自治体(64%)にものぼるという状況下で労使協議を行い、人事評価制度は導入していないという経過にある。そんな中でこの4月をむかえ、法施行を機に人事評価制度を機械的に導入したという自治体も少なくないし、労使協議の末、結果の活用とりわけ賃金への反映については行わないという結論に達している自治体も多くある中で、危惧されるのが結果の活用に対する総務省の圧力である。現在も北海道市町村課を通じた調査や4月には総務省から直接の調査も行われているところだが、余計な助言や通知を出さないよう対策強化と情報提供を要請する。

 

3.政治闘争について

4月24日に安保法制強行採決後、初の国政選挙として全国的に大きな注目を集めた衆議院北海道第5区補欠選挙は、全国で初めて野党統一候補として立候補した池田まき候補は接戦の末、約1万2千票差で敗れた。

福祉現場の実態を踏まえて政治に声が届かない人たちに寄り添った社会保障の充実を訴えて支持を広げた。しかし保守の固い地盤と政府・与党のまさに総がかりとなって固めきった自公候補に一歩及ばなかった結果となった。野党共闘や様々な市民団体との連携などの成果と、それでも勝ちきれなかった不十分さの双方をしっかり総括し、今後に活かさなければならない。

そしていよいよ、日本の将来を左右する参院選を迎える。首相自ら争点は憲法改正だと明言している。今の日本社会・政治には原発・辺野古・子育て・医療・介護・TPPなど多くの課題が山積している。これら課題に共通するのは「いのち」である。今回の参院選の真の争点は「いのち」だという人もいる。私たち国民が「金・経済」を重視した「戦争する国、日本」を選択するのか、「いのち」を重視する「平和な国、日本」を選択するのかが問われている。負けても良い選挙はないが、絶対に負けてはいけない選挙がある。まさにこの夏の参院選・比例区自治労組織内「えさきたかし」の選挙は絶対に負けてはいけない選挙であり、圧倒的勝利をしなければならない選挙である。

北海道本部も全国の仲間とともに組織の総力をあげてたたかう決意。

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本中央委員会は引き続き議案に対する討論を行い、15時に全ての議事を終了する予定。