2月26日、東京都・日比谷公会堂で「自治労第37回全国町村職総決起集会」が開かれ、全国から47県本部494単組・840人(うち女性184人)、北海道から153人(うち女性37人)が参加した。
主催者を代表し山木・全国町村評議長は、2016国民春闘について「地方自治体で働く労働者にとっては、民間労組における春闘期の賃上げ妥結結果がベースとなり、8月の人事院勧告につながることを認識して、年間の賃金闘争のスタートと位置づけて春闘をたたかう必要がある」と情勢を述べたうえで、「町村職では『交渉を持てない、交渉の仕方が分からない、交渉と事務折衝の区別もあいまいになっている』といった実態も報告されている。同じ思いに立って連帯し、組織全体で取り組みを進めてほしい」と強調した。さらに「今集会で学んだことも含めて、組合員全体に伝えることで、運動が構築される。職場に労働運動を定着させるということは、組合員のところに足を運び話をすることだ。こうした運動に接することで組織強化・拡大につながる。ぜひ単組で実践してほしい」と呼びかけた。
また、政治闘争について「自治体は政治の影響を受ける職場。仕事においても地域住民に多くの意見を間近に聞いている。だからこそ、そうした意見を自治労という組織を通じながら国に訴えかけていくことができる。政治に関心を持って、私たちの行動が政治を変えるということを認識して取り組みを進めていく必要がある」と述べた。また、現在の政治状況に触れ「7月に行われる参院選では、自治労組織内『えさきたかし』さんの必勝にむけて、私たちがしっかり支えるという強固な決意を持って取り組みを進めていこう」と呼びかけた。
最後に、「町村職の組織強化・拡大も重要な課題。集会で聞いたこと、感じたことを単組持ち帰り、前進的な取り組みを参考に、自分たちから実践することからはじめてほしい」と述べ、あいさつした。
自治労本部・川本中央執行委員長(元全国町村評議長)は、2016春闘について「日銀のマイナス金利付量的・質的金融緩和による副作用がなどにより、経済状況が厳しい環境の中でのたたかいとなる。しっかりと全国各地で民間の仲間とも連携をして、自治労としての春闘をたたかってほしい」と呼びかけ、「特に町村の仲間は1年の賃金闘争の出発点として、たたかう決意を示す意味でも、その意思を固め合い取り組みを進めてほしい」と述べた。
また、政治課題について、「安倍政権が言う『地方創生』『1億総活躍』『子ども子育て』『社会保障の充実』『同一労働・同一賃金』という言葉は、政治決戦の争点を隠すためのものだ」と批判したうえで、「私たちの仕事・労働条件はすべて政治に左右されている。政治に意識・関心を持って『何が正しいのか』を見抜いていかなければならない」と強調した。
最後に、「『えさきたかし』さんは三橋町役場出身で、私たち町村の代表者でもある。役場職員として自治労運に関わってきた『えさきたかし』さんを自治労・町村の代表として送ることの決意を固め合ってほしい」と述べあいさつした。
その後、自治労協力国会議員団を代表し、自治労組織内・えさきたかし参議院議員が「この間、地方公務員が50万人削減され続け、いまや3兆円を越えるお金が地方から中央に吸い上げられている。地方を切り捨てる安倍政権が『地方創生』などという言葉を使っている。ふざけるなという思いだ」と批判した。
また、「地方をいじめる政治を何としても変えなければならない。流れを変えるために、たたかい、政治を変えるしかない。企業優先の政治から、働くものの政治に変えるため、地方から炎のような反対の狼煙を上げるのが7月の参院選のたたかいだ。市場原理主義、戦争に突き進む自公政権に対抗できるような野党共闘を必ずつくる。その中心を自治労が担い、その代表として私が国会で奮闘する」と決意を述べた。
最後に「小さな政府論から脱却して、『人を増せ、賃金が上げろ、公共サービスを拡充しろ』、という、そんな当たり前の運動が実現するような政治に変えていこう」と呼びかけあいさつした。
その後、自治労本部・福島書記長が春闘方針を提起した。
福島書記長は、2016春闘の具体的な課題として、①公務員賃金の改善と改正地方公務員法に対する取り組み、②地方財政の確立と公契約条例制定に向けた取り組み、③格差是正と公正なワークルールを確立する取り組みについて提起し、「春闘期に統一要求書提出し、交渉-妥結(書面化・協約化)の『交渉サイクル』を確立をしてほしい」と述べた。また、「人事評価制度は、あくまで『人材育成』の視点で取り組むべきもの。スト批准投票の中間結果では批准率80%を超える状況にある。組合員の投票行為による組合活動の参加が組織強化につながる」と問題提起があった。さらに、今年の政治決戦にむけて、「えさきたかし」必勝にむけた取り組みについても提起があった。
引き続き、総務省交渉および町村会交渉の報告の後、北川・自治労本部総合公共民間局組織拡大オルグが「臨時・非常勤等職員の組織化」について、他単組での組織化にむけた取り組みを紹介しながら提起した。その後、各県本部等から今後にむけた決意表明を受け、山木議長の団結ガンバローで集会を終了した。
集会終了後は3梯団に分かれ「地方交付税の削減反対」「臨時・非常勤等職員の処遇改善」「町村職員の賃金格差是正」などを訴え、デモ行進および国会請願行動を実施し、全日程を終了した。
〔※以下、デモ行進・請願行動のようすを写真でアップしましたのでご覧ください。〕