道本部現業公企都市交評議会は12月5~6日、札幌市・北農健保会館で「道本部現業公企都市交セミナー」を開き、29単組・総支部96人(連合北海道から2人・自治研から1人参加)が参加した。
セミナーでは主催者を代表して大西現業公企都市交評議会議長が「職場を取り巻く状況は厳しさを増している。そうしたなか、本年6月には2015骨太方針が閣議決定され、さらなる委託の推進、公的サービスの民営化が打ち出されており注視をしていく必要がある。また9月に開催した大会で規約改正を行い道本部現業公企都市交評議会と名称変更を行った。都市交との組織統合以降、都市公共交通部会を設置し運動をともに進めてきたが、改めて名称を変更することで運動の課題を明確化し、さらに運動を強化していくことを確認してきた」と述べたうえで、「今回のセミナーをとおして地域で必要とされる公共交通について一緒に考え合う場としたい」とあいさつした。
その後、道本部を代表し、三浦書記長から、「確定闘争をめぐる状況および政府の閣議決定をふまえた今後のたたかい」「来年の参議院選挙闘争に向けた組合員の結集」について話があった。
全体学習では講座1として根本・道本部賃金労働部次長が「人事評価制度の導入にむけて~現業公企交通職場の課題~」と題して講演した。根本次長は、地方公務員法改正にいたった経緯や導入の目的、総務省の考え方、既に評価制度が導入されている国家公務員の技能労務職の事例や状況などについて説明があった。そして各自治体で導入するにあたっては当局に対して「『国に言われたから』『人件費削減のため』ではなく本来の目的を労使交渉のなかで確認し、そのうえで制度設計にも関わり協議・修正していくことが重要。現業・公営企業職員の賃金労働条件は団体交渉で決定する事となっており、その権利を最大限に活かして職場での取り組みを進めてほしい」と強調した。
講座2では福村・ニセコ町農政課長が「地域の公営・公共交通を考える~デマンドバス導入と運行について~」と題して講演した。
福村・課長はニセコ町での、「スクール・福祉・生活路線バス」から「町内循環バス」そして「デマンドバス(にこっとBUS)」となっていった経緯や事例について説明したうえで、「デマンドバスは過疎地に適したバスであり利用者にとって究極のバスではあるが万能ではない。公共交通を考える時のポイントとしてバスの形態や地域の形状を複合的に考えること。無駄と思えることでも地域では必要なこともあるので理解し考えることが重要だ。デマンドバスの運行は黒字になることはないが、自治体が負担をしてでも、これからの超高齢者社会や人口減少社会を考えると町民の交通手段としての価値がある。マンドバス運行の基本は住民の生活の質の向上にあり、地域を知れば知るほど地域公共交通の重要性を認識する」と述べた。
セミナー2日目は現業・公企・交通にそれぞれ分かれ分科会を実施し、課題について共有化をはかった。
その後、全体会を実施し、それぞれの分科会報告を行い、大西議長が「2日間のセミナーを通して自分たちが抱えている職場の課題について確認ができた。質の高い公共サービスを提供し、職の確立をはかるため、学んだ事を単組の活動の中で活かしていこう」と全体集約を行い最後に団結ガンバローでセミナーを終えた。