自治労北海道本部は、北海学園大学と連携し公務員をめざす学生を中心に職場の現状や課題を実際に地方自治体に勤務する組合員をはじめ、役員や関係者など道本部から講師を派遣し、労働組合の意義を含めた20150717 北海学園特別講義 007「北海学園大学社会科学特別講義」を実施している。この講義は、4月10にから7月17日までの毎週金曜日、計15回にわたって一部(全日過程)、二部(夜間過程)の学生に90分間の講義を行っています。

この講義の最終回にあたる7月17日には、これまでの講義でわからない点や聞いてみたい点などをグループ討議を通じて質問を行い講師が答える形式を取った。講師には、櫛部賃金労働部長、竹中政治部長、瀬戸自治体政策部長、酒井総合研究室事務局長、山木企画総務部長の5名で望みました。

 

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講義は、4~5名でのグループを構成した学生が、これまでの講義から意見を出し合い、グループでの質問を考えて講師にぶつける内容で、あらかじめ講師の仕事内容やこれまでの経歴を紹介して、より話しやすいような工夫をして行っています。

20150717 北海学園特別講義 019学生からは、鋭い質問や日頃からの疑問も出された。「自治労の方針で民主党や社民党を押していると聞いたが、委員会の進行を妨げたりしているところを見ると本当によいのか疑問」、「入札制度で賃金が抑えられている実態があると思う。自治労としての考え方は」、「公務員の賃金は具体的にどうのようになっているのか。サービス残業も聞くがどうなっているか」、「公務員を志望している。これから求められる公務員像は」、「過疎地域の話を聞いたが、札幌は別にして地方はどの様になっていくのか」などの質問がぶつけられた。さらに講師の回答に対し川村先生からも「中道・リベラルの主な政策は」、「公契約条例が否決されたが自治労としての取り組みは」など、さらにつっこんだ質問が出され、この講義を通じて社会参画や政治への関心などが深まったと感じられた。

さらに自分たちの日頃の疑問として、「年金制度は大丈夫か?若い世代の自分たちの負担が重くなるのではないか。どうのような対応が考えられるか」など、社会保障に関連する質問も寄せられ、将来の不安や自分たちの責任に学生たちも少なからず関心があることが、この講義を通じて培われたと思う。

また、公務員への感想として「自分の意思を持って人のために動けるかが重要、20150717 北海学園特別講義 022最上のサービス業であると感じた」、「地域の声に耳を傾け、ものを考え、動く人になってもらいたい職業」など、講義を通じた公務員についての感想なども出され、この講義の目的の一つでもある「公務員の仕事を知ってもらう」ことができたのではないかと思う。

今回の講義では、強行採決された戦争法案の現状の説明や将来への私たちが考える不安などを学生に話し、「署名」への協力をお願いし、多くの学生から協力をいただいた。また、青年部が中心となって取り組みを進めている「反核・平和の火リレー」の取り組みへ、集会やランナーとしての参画も呼び掛けた。

計15回(うち自治労関係者11回)の講義を通して、少しでも就職活動(就職先の選択)に役立ち、職場における労働組合の存在に理解が進むよう期待する。学生の講義に対する感想が寄せられるが、山上委員長の講義の際に最低賃金について話をした結果、「アルバイト先に申告してバイト代があがった」という感想もあった。知らず知らず損をしていることは山ほどあると思うが、知る機会をつくることの必要性を改めて教えていただいた機会でもあった。また、講師の一言一言に印象が添えられて、「今まで関心すらなかった」ことに対して、少しでも関心を持ってもらうことにもつながったと思われる特別講義だった。

さらに、それぞれの講義において、労働組合の役割や任務についても話してきた。ブラック企業やブラックバイトという学生にとっては厳しい現実にも、「労働組合」があることで、一人で悩まずに相談することや、おかしなことも一人ではできないことも組織があれば、組織で対応できることなど、学んでいただけていればと思います。

最後に、この講義にご協力していただいた講師の皆さん、そして北海学園大学の関係者の皆さんにこの場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。