自治労第148回中央委員会2日目に、来年の参議院議員選挙の比例代表組織内候補予定者として、えさきたかし参議院議員の推薦が承認された。
えさき参議は、「ちょうどこの場所(TOC有明)で、『うつむくなかれ』という詩を朗読させていただいてから4年半以上。まるでわれわれを取り巻く状況は好転しておらず、むしろ悪化をしている。われわれだけでなくこの国のすべての環境が悪化をしている。安全保障外交が大きく転換されようとしている。中東で夏と秋に二人の日本人が誘拐されたという事実を知りながら、年が明けて2億ドルの支援をぶら下げて、中東を歴訪し、イスラム国とたたかう国を支援する。そんなむちゃくちゃな外交があるか?間違いなくこの状況を生んだのは安倍のおこなう極めて幼稚な外交の産物であることは間違いない。今は国会でそれを追及するという状況にはないが、解決した後には必ず追及しなければならない」と述べた。
また、「昨年の秋、野村総研が出した統計では2013年わが国で初めて1億円以上金融資産を持っている世帯の数が100万世帯を突破したという報道があった。アベノミクスの産物であるかもしれないが、一方で全く金融資産を持っていない、預貯金もない世帯が初めて3割を突破したことも同時にその統計で発表されている。政治はどっちに顔をむけながらおこなわなければならないかはわかりきっていると私は思っている。国は真逆なことを行っている。今のような成長神話だけでは、この国の現状は転換することはできない。みんなわかりきっているけれど、流れを変えられない状況にある」と述べた。
さらに、「消費税の増税が2014年4月、同じような状況が1989年4月(消費税3%導入時)、この15年の間にこの国の状況がいかに変わったか。99年には派遣法が改正され、圧倒的に非正規労働者が増えた。その数、約800万人。正規労働者の数は500万人減っている。ちょうどそのころから生産年齢人口が700万人減っている。当時国と地方の借金が540兆円あったが、今は倍になり1000兆円を超えている。なぜこういった国の状況なのか?なぜ介護で年金で医療で悩み、苦しまなければならない状況を作ってきたのか」と安倍政権を批判した。
「この17年間で地方公務員数は50万人減った。年収500万円とすれば2.5兆円の資産が地方から奪われている。これがどこに消えたのか?すべてが政策の間違いだった。どこかで転換しなければならなかったが、その転換時期をずるずるずるずると遅らせた。2009年に民主党政権時、流れを変えようとしたが3年3カ月では無理だった。1989年当時はゼロ金利政策もしていない。当然量的緩和もしていない。年金基金を株に投資するというようなバカなこともしていない。今年度予算は96兆円を超えた。全く日本が変らない中で、この国の一人ひとりの暮らしと働くものの暮らしと、子どもたちの貧困とお年寄りの不安が増加したのがこの15年間。何としてもこの流れを変えなければならない。そのためには政治の力を再びわれわれが手にするしかない。多くの国民が手を携えて今の安倍政権のやっている政治を変えなければならない。時間との勝負になっている」と述べた。
最後に、「統一自治体選挙で勝って来年の参議院選挙で仲間の一人として、たたかっていく。一つひとつの選挙で勝たなければ、この国・子どもたち・孫たちの未来は大変厳しいものになる。そういう状況がはっきり見えてきた。職場から地域から自治労の旗印のもとに、大きくうねりが作られるように、心からお願いする。自治労の仲間の一人として安倍とたたかっていく覚悟でいる。再び全力で走ることを誓う」と決意を述べた。