10月18日、札幌市・自治労会館で「2014現業公企統一闘争勝利全道総決起集会」を開き、全体で26単組66人が参加した。
主催者を代表し道本部現業公企評議会・浅野議長が「2015年度道本部現業公企評議会総会において、職の確立と市民との連携による、自治体の責任に基づく現場力を生かした質の高い公共サービスの確立を基本目標に2014現業公企統一闘争をたたかうことを確認してきた。今人事院勧告では技能労務関係職種の給与改定は見送られたものの、官民比較について今後さらに調査研究を続けるとしており、さらなる給与水準の抑制と合理化の促進が予想される。『要求書提出、交渉、妥結、協約締結』というたたかいの基本を実践し、組織強化と公共サービスを担うすべての労働者の賃金・労働条件、生活の維持・改善をはかっていこう」とあいさつした。
現業公企統一闘争本部藤盛・本部長(道本部副委員長)は、2014確定闘争の課題について問題提起を行い、「確定闘争と現業統一闘争を職場から取り組み、たたかいを強化していこう」とあいさつした。
その後、基調講演Ⅰとして「現業職場に活力を!」と題し、自治労本部現業評議会・藤本初雄議長から講演が講演し、「現業統一闘争の歴史にふれ、一人一人が活性化にむけ実践していくことが必要である。反対だけでは雇用も職場も守ることはできない。現行業務の位置づけを明確化し、その重要性を職場から市民、当局に政策提言をする必要があるし、新たな働き方、サービスの提供を政策要望として要求していく必要がある」と提起があった。
基調講演Ⅱとして「公務労働と公共サービスの今後を考える」と題し、元自治労公共サービス民間労組協議会・小畑精武事務局長が講演し「公共サービス基本法では『公共サービスの実施に従事する者の労働環境の整備』と記載がある。ある自治体では委託先の労働者の労働環境をチャックし整備をはかっている。そのことが質の高い公共サービスにもつながり、委託拡大にもストップをかけている。すべての地域公共サービス労働者の総結集が必要であり、そのことにより市民が豊かで安心して暮らすことができる地域社会の実現となる」と問題提起があった。
基調報告では、「遠軽町労連における正規給食調理員新規採用の取り組み」について、「学校給食が美味しい食事であるとともに安全・安心な給食でなければならないということで月1回の学習や職場点検を行ってきた。その中で2012年4月遠軽小学校の給食室が建設され、始めてドライ方式が導入された。これにより『現在の人員では対応できない』『作業工程など説明がない』などの問題点があることから、アンケートを実施し不安・問題点を明らかにし執行部と協議することとした。協議の中で多くの課題が提起され、そのことを勉強会に持ち帰り全員で考え議論した結果、人員に関する独自要求書を提出し、団体交渉を実施するなかで、定年退職者の補充について当局に考えを明らかにするよう求めてきた。その間も職場議論を重ね、要求根拠を明らかにしながら合計3回の団体交渉を開催してきた。結果として、退職者5人中、正規職員3人、嘱託職員4人の採用を勝ち取ってきた。しかし、職員は増えたものの確実に正規職員は減っているのが実態である。引き続き、正規職員の採用を勝ち取るため、正職員でなければならない理由・正職員の存在意識を高めるためにも勉強会の充実をはかるなど取り組みを強化し安全・安心、美味しい食事を提供できるよう基本組織とも連携し活動していく」と今後の決意も含め報告があった。
その後、2014現業公企統一闘争の推進について提起を行い。「①現業職場活性化のための現業アクションプランの取り組みを通じて、知識と経験をいかし行動計画を策定し取り組みを進める必要がある。その取り組みの例が遠軽であり、行動に移すことにより成果を得ている。②2012年4月1日から資本制度の見直しにより、剰余金の積み立て義務を廃止するとともに、条例・もしくは議会の議決を経て利益処分・資本余剰金などの資産処分ができるようになった。2015年3月には制度改正後初の決算期を迎え、企業会計が赤字決算となることが予想されることから、職場チェック機能の強化する必要がある。③要求書の提出は増えているが、一方で、現業公企職員の減少・不在を理由に提出していない単組、要求書は提出していても回答・交渉が行われていない単組も多くあることから、全体的な取り組みに拡大していこう」と提起した。
地方本部決意表明では、①宗谷地本・稚内市労連横山議長が「自分たちに何が出来るか今一度基本に立ち返り、市民との連携による自治体の責任に基づいた質の高い公共サービス・職の確立をめざした現業アクションプラン等、職場・単組の意思を結集した闘争体制を職場から作り上げ、自らの生活を守るため運動強化をはかっていく」
②石狩地本・札幌市労森田青年女性部長が「採用されて3年になるが、その間も欠員不補充や新規採用抑制による人員削減、賃金削減がつづき職員の士気は低下している。しかし、多くの仲間は『良い仕事をしたい』『良い街を造っていきたい』『住民の役に立ちたい』という思いで毎日仕事に励んでいる。その思いがムダにならないよう今以上に運動強化する」と決意表明があった。