8月9日(土)~10日(日)、札幌市自治労会館 3階中ホールをメイン会場に「2014道本部現業公企全道労働者集会」を開催しました。

道本部現業公企評議会では隔年で全道労働者集会を開催しており、総会以外で現業・公企の仲間が集う貴重な機会となっています。合理化の影響により各職場とも職員が減少し、年々、集会参加者も減少していますが、今回は交通の仲間も多く参加し、全体で21単組112人(講師含)が参加し、情勢の共有と各職場が抱えている課題など活発な議論が行われました。

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冒頭、道本部現業公企評議会 淺野康敏議長から主催者を代表し「現業、公企、交通各職場で引き続き抱える課題解決に向けた運動を進めていくためには組織の強化は必要不可欠。臨時・非常勤等職員や公共民間労働者の組織化をはかり、公共サービスを支えるすべての労働者が連帯し賃金労働条件の改善と公共サービスを守る取り組みを強化しなければならない。現業公企労働者の権利を最大限に活用したすべての単組で協約締結権を生かした取り組みを追求する必要がある。2日間の労働者集会の中で改めて確認をするとともに職場の仲間の交流をはかり、地本、単組に持ち帰って運動につなげていただくことをお願いしたい。」とあいさつを行いました。

 

 

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続いて道本部を代表し大出彰良書記長から「給与総合的見直しについては恣意的に作り上げた格差を理由にするもので到底許されるものでない。行(二)水準についても引き下げる動きがあったが2014勧告では見送られた。しかし研究は続けるとしている。これからも十分気をつけなければならない。道本部としてあらゆる機会を通じて本部に意見していく。勧告は完全実施、給与制度見直しはさせない取り組みをすすめていく。現業公企統一闘争について、どう運動を構築していくかという観点で自治労本部で確定闘争なども含め産別闘争全体について議論が行われている。産別統一闘争をより有効的により機能的に実行力のある形にしていくべき。取り組みが組織強化につながるよう取り組めるようにしていきたいと考える。特定秘密保護法、原発再稼働や輸出、集団的自衛権を進める安倍政権は国民の生活より大都市、大企業優先は明確。労働法制の見直し、地方交付税の課題、公務員賃金の課題など矢継ぎ早にやってくると思う。国民の多くは現政権の方向性には異を唱えている。諦めることなく組織された労働者が前に出ることが求められているし、組合員と向き合って政治を何とかしていかなければならない。しっかり仲間と議論をし、職場に帰ってからのたたかいにつなげていただきたい」とあいさつをいただきました。

 

 

DSCF3041 DSCF3045自治労本部から牧野梅三郎現業局長、山本善久公企局長が来道し、牧野現業局長から現業評議会総会、組織集会報告や臨時非常勤等職員の組織化も含め「評議会が果たしてきた役割や意義を改めて認識して運動を構築していく必要がある。アクションプラン、現業活性化には引き続き取り組み職の確立につなげていただきたい。」 山本公企局長からは「水循環基本法が制定され8月1日が水の日に制定された。第30回目を迎えた自治労水週間の取り組みを自治労全体、全単組で取り組みの拡大をお願いする。」とそれぞれからあいさつを頂きました。

 

 

【全体会】

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全体会では自治労本部 森本正宏労働条件局長をお招きし、「現業職場における給与制度の総合的見直しと地方公務員法改正の影響について」と題し、集会直前の8月7日に2014人事院勧告が出されたことから、勧告の解説、給与制度見直しと地方公務員法改正にともなう人事評価制度の導入について講演を行いました。

勧告や見直しをふまえて今後は「まずは今年の官民比較に基づき給与表引き上げ、一時金の引き上げ、通勤手当の引き上げを行うよう確定期に交渉を行い4月にさかのぼって差額をもらう。総合的見直しについては確定期に妥結する必要はない。実施をするなというのを政府に求めていくし、自治体でもしっかり闘争を組んでいただきたい。確定期に向けてさまざまな取り組みをすすめていかなくてはならないので引き続き結集をお願いする。人事評価制度について、等級別基準職務表およびこの公表については現業・公企職員には適用にならない。うやむやに公表されないような取り組みも必要。評価をした上で人材育成に活用するなら悪いとは思わないが、給与に反映、恣意的な評価によって給与がバラバラにされてるようなことには断固反対する必要があるということで取り組みをすすめていただきたい。」と講演をいただきました。

今回の勧告で見送られた行政(二)表改訂の今後について「官民格差対象を300から500に増やしたが、6000~8000のデータがないと実際は比較のしようがない。来年以降も調査サンプル数を増やせるわけもなく、現時点では白紙と言える。」が、調査研究は続けるとしているので引き続き注視していく必要があります。

 

【分科会】

全体講演の後、10日午前まで現業分科会、公企分科会、交通分科会がそれぞれ開催され、短い時間ではありましたが各職種ごとに学習や議論、活発な意見交換が行われました。

1.現業分科会  参加者:16単組52人

現業アクションプランの推進と実践」として講師に自治労岐阜県本部現業評議会 鹿嶋 宏治 議長をお招きし、職場を守っていくための業務のあり方や職員の意識の持ち方などアクションプラン推進委員の立場と経験に基づく講演を受け、その後学校用務、学校給食、清掃、一般現業に分かれそれぞれ職種ごとに現状と今後に向けた議論が行われました。

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2.公企分科会  参加者:11単組25人

 「公営企業労働者を取り巻く情勢と課題」と題し、自治労本部公営企業評議会 山本 善久 事務局長を講師に水循環基本法・水週間の取り組みや地方公営企業資本制度の見直し、公営企業会計の適用拡大、簡易水道の統合に関わる課題などについて講演を受け、その後は各部会全国幹事を講師に水道、下水道、県公企、公営ガス政策について学習を深めました。

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3.交通分科会  参加者:4単組33人

交通分科会は、総合都市交通局東北・北海道ブロック連絡会高橋事務局長による「自治体における地域公共交通の現状と課題」について講演を受けました。講演では、組織統合から約1年が経過した中での統合の意義や、自治体における地域の公共交通の課題、国の公共交通政策、公共交通の再生と発展に向けた組合の役割などについて、問題提起が行われました。

10日は午前9時より再開し、北海道運輸局企画観光部の佐藤計画調整官より「公共交通に関わる国や道の制度・政策について」の講演を受けた後、①公共交通の活性化について、②交通に関わる人材育成について、③外国人観光客の受け入れ態勢についての意見交換を行いました。参加した組合員からは、①パークアンドライドやトランジットモールなど、国の政策として積極的に取り組むべきだ、②自治体における公共交通担当者の育成にどう取り組むのか、③外国人にも利用しやすい公共交通機関をめざし案内方法に工夫が必要など、多くの発言があり活発な意見交換が行われました。

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10日の分科会終了後、各職種ごとに分科会報告を行い、職場の実態報告や職域の拡大、職の活性化にむけた今後に向けた決意など活発な議論が行われたことが伺えました。

分科会報告の後、今回参加いただいた岐阜県本部現業評 鹿嶋議長から「現行の業務を維持しつつ新たな職の確立に取り組んでもらいたい。職場の積極的な議論を積み重ね、職に特化した専門職員の採用につなげていただきたい。今集会のように仲間が結集し、議論できる場を大事に今後も取り組みをすすめてほしい。」と北海道本部現業公企評への激励のあいさつを受け、集会の最後に道本部淺野議長から「人事院は行(二)表の水準見直しについて諦めたわけではない。人事評価制度の導入についても阻止するのは各単組で交渉を行っていくしかない。団体交渉権、協約締結権を最大限に生かしたたたかいを再構築し各単組の取り組み強化をお願いする。」と総括をし、団結がんばろうで集会を終了しました。

 

「講演は大変参考になった、勉強になった」「同じ仕事をしている仲間と交流できて良かった」「毎年やってほしい」と好評の一方で、会場の都合によりご不便をおかけしたり、講演や分科会内容など改善すべき点は多くありますが、今後も全道の現業・公企・交通労働者の結集できる貴重な場として、参加者数はもとより多くの単組から参加いただける全道労働者集会をめざしていきます。