7月12日(土)、自治労会館3階中ホールにて「2014年度道本部労働安全衛生講座」を開催しました。
地方公務員安全衛生推進協会が2013年11月に全国78万人を対象に「地方公務員健康状況等の現況」調査を行った結果、地方公務員の自殺者は146人となっており、これは在職死亡者の20.4%と、がんに続く死亡原因の第2位となっています。自殺とうつ病等精神疾患との関連性が非常に強いことが指摘されており、メンタルヘルス問題は深刻な状況となっています。また、この調査で、在職職員の精神および行動の障害を理由とした1ヵ月以上の長期病休者は9000人を超え、長期病休者の50,8%と、半数以上がメンタルヘルス不調が原因の病休となっています。
道本部ではこうした背景を元に、「メンタルヘルスの基礎とストレスの予防」をテーマに今年の講座を設定し、全道から23単組・総支部32名が参加し学習を深めました。
講座の冒頭、道本部藤盛敏弘対策委員長から、「安全衛生委員会の設置状況など調査をしているが、必ずしも十分な活動ができているとはいえない。長期病休者が増加傾向の実態があり、メンタルヘルス問題は喫緊の課題となっている。こうした問題を中心に道本部として講座を開催してきたが更なる全体化が必要と考え、講座の持ち方について各方面と議論を深めていきたい。今講座で学習を深め職場で生かしていただきたい。」とあいさつがあり、その後大西事務局長から安全衛生に関わる情勢と安全衛生月間の取り組みについて提起を行いました。
報告として7月の安全衛生月間に先立ち行われたスローガン募集において、「安全分野」では北海道から札幌市職連(札幌公共サービス労組) 斎藤美枝子さんが佳作、「衛生分野」では札幌市職連(札幌公共サービス労組)渡邊真実さんが入選に選ばれ、渡邊さんの作品がポテッカ-に採用されたたことを報告し、代表して渡邊真実さんに藤盛対策委員長から記念品が贈呈されました。
【安全分野】
入 選 きっとある あなたの職場の改善点 島根県本部 国保労組 永島 正臣さん 佳 作 思い込み 慣れが思わぬ災害に 北海道本部 札幌公共サービス労組 斉藤 美枝子さん 「大丈夫?」違う角度でもう一度 奈良県本部 平群町職労 貞岡 佳子さん
【衛生分野】
入 選 良い仕事 まずは健康管理から 北海道本部 札幌公共サービス労組 渡邊 真実さん 佳 作 どうかした? 一言だけど 救われる 山口県本部 国保労組 深津 康幸さん ゆるさない。いじめ、パワハラ、過重労働! 岐阜県本部 岐阜県職労組連合 木村 順子さん
基調講演として、一般財団法人 日本産業カウンセラー協会北海道支部 大嶋弘道講師をお招きし「メンタルヘルスの基礎とストレスの予防」と題し、講演を受けました。
ストレスに気づき、適切なストレスの予防・対処を行うことで一人ひとりのメンタルヘルスの保持・増進を行い職場の健康と活性化を進めていくことを講座の目的とし、①ストレスの基礎知識、②ストレスの気づきと受け止め方、③ストレスの予防と対処、④セルフケア技法体験について、対処法や接し方、また「ストレス度チェックリスト」による自己診断、セルフケアのための技法体験として緊張のゆるめ方や呼吸法など2時間にわたり講演を受けました。
※自己診断してみませんか? メンタルヘルス「ストレス度・チェックリスト」(自己評価)
参照URL http://www.fismec.co.jp/strescheck/
講演終了後、参加者から単組での日頃の安全衛生活動報告や、休職者の復職支援に関する悩み、メンタル不全者や発達障害(AD)的要素を持つ職員との関わり方など、日頃抱えている職場の課題について発言があり、カウンセラーという立場で大嶋講師から、精神科看護師としての立場で居橋対策委員会事務局次長から助言、アドバイスを受けた。
講座の終わりに「日頃の目配り・気配り、コミュニケーションがメンタル不全の予防につながる。安全衛生活動は役員だけが取り組むものではなく、管理職も含めた職場全員で取り組むことが必要。安全衛生活動の活性化が労働組合の活性化につながる。ぜひ、この機会に職場点検活動を行い、快適な職場作りに取り組んでいただきたい。」と締めくくり講座を修了しました。
どこの自治体、職場でもメンタルヘルス課題を抱えています。また、転倒・転落・怪我などの労働災害についても依然として発生している状況にあります。この機会に「自治労安全衛生月間の取り組み」として職場点検活動を行いましょう。
道本部では安全衛生活動の更なる全体化をはかるため、組合員がより参加しやすく、充実した内容の安全衛生講座になるよう検討をすすめていきます。