第147回自治労中央委員会では、「給与制度の総合的見直し反対の取り組み」や「地公法改正にともなう人事評価制度導入に対するたたかい」、「集団的自衛権行使容認に対するたたかい」、「新たな政治対応方針について」発言があった。

中央委員会2日目の本日28日は、北海道本部・難波副委員長が「給与制度の総合的見直し反対」の取り組みとして、国公の仲間とともに、全道主要都市での集会の開催や連合北海道のストップザ格差社会の取り組みと同時並行して、自治体首長への要請行動を取り組むと発言した。
発言趣旨は下記のとおり。
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◆2014春闘の総括と今後の賃金闘争◆
2014春闘は久々に月例賃金にこだわり、ベースアップを求めるたたかいが全国的に展開され、成果が得られてきている。しかし、消費税引き上げに伴う物価引き上げ率から見れば、生活水準の実質的な引き上げにつながっていないことを踏まえるべき。経営側からはベアは今年だけで来年の賃上げの前提とはならないとの発言にもあるように、次年度以降の賃金闘争が正念場であり、今年の春闘で得た教訓をどう活かすかが重要。北海道では、3.14の全国統一行動日への結集単組がここ数年落ちており、春闘期の山場にどのように全単組に結集させるかが大きな課題。引き続き、全力をあげて自治労運動の前進に力を注ぐよう努力する。
◆給与制度の総合的見直しに対する取り組みの補強◆
給与制度の総合的見直しをはじめとする人事院勧告期の方針について、5月22日に措置実施案が示されたが、素案の方向とはほとんど変更が無く、地域手当の異動保障期間の延長が示唆されるなど、問題の本質は全く変わっていない。中央段階の取り組みについては一定示されているが、各地域で何をどう取り組むのか具体的に提起をしてほしい。 北海道では、国公の仲間とともに、全道主要都市での集会の開催や連合北海道のストップザ格差社会の取り組みと同時並行して、自治体首長への要請行動などを計画しているが、それ以上に単組・職場段階から「給与制度の総合的見直しには反対だ」という思いをしっかりと人事院や総務省へ伝える作業が必要ではないか。
◆集団的自衛権行使容認反対の取り組み◆
安倍首相は、「集団的自衛権行使」を容認するよう憲法解釈の変更へむけた検討を進めている。憲法の平和主義を否定する解釈改憲を閣議決定することは、立憲主義の否定であり、憲法の根幹を壊すもの。 北海道では、全国に先んじて4月12日に「戦争をさせない北海道委員会」を設立した。また、安保法制懇報告の翌日には北海道本部単独で街頭抗議行動及び全国署名行動を実施した。さらに、5月20日には戦争をさせない北海道委員会・北海道平和運動フォーラム・民主党北海道の共催による緊急抗議集会とデモ行動を行った。 今後は、5,000人規模の「戦争をさせない北海道大集会」を予定している。この政治の暴走を止めるのは、衆・参ともに絶対的与党体制の国会の場ではできない。集団的自衛権の行使容認など、憲法改悪を許さないためには、世論形成の運動が極めて重要であり、大衆闘争の構築が今こそ求められている。 北海道としても、北海道平和運動フォーラムや民主党北海道とも連携した運動の追求によって、広範な運動の形成をめざす。 本部でも、引き続きフォーラムや戦争をさせない1000人委員会はもとより、連合・民主党など広範な運動の形成にむけ、より一層の主体的運動の構築を強く求める。
DSCF4164◆脱原発闘争の取り組み
【大間原発建設について】
大間原発は、商業用として世界初のMOX燃料によるプルサーマル発電で、函館市は津軽海峡を挟み、わずか23㎞に位置する。原発建設には、立地自治体ではないということで同意の範囲からも除外され、充分な説明すらない。この間、函館市として4度にわたり工事の凍結を要請しているが、無視されている。 このような中、函館市議会は「無期限凍結を求める決議」を全会一致で可決し、4月3日函館市が全国の自治体としては初めて、国と電源開発を相手取り、大間原発の建設差し止めを求める訴訟を東京地裁に起こした。この訴訟は、自治体の使命である市民の生命・財産・暮らしを守り、「自治体の生存権」をかけたものである。また、単なる脱原発運動の視点だけではなく、自治体が国を訴えるという地方自治体のあり方も問われる画期的な訴訟である。 現在、函館市は訴訟費用をカンパで募っている。脱原発運動を広めるという視点で、北海道本部としても、北海道平和運動フォーラムや道南地域平和運動フォーラムと連携し支援していく。本部及び全国の仲間の理解と支援を要請する。
【高レベル放射性廃棄物最終処分について】
政府は従来の公募方式から国が前面に立って候補地選定を行い、そのために文献調査を自治体への申し入れ方式によって決定しようとしている。 北海道は、2000年に「放射性廃棄物は受け入れ難い」とする「核抜き条例」を制定した。また、幌延町における「深地層研究」の受入条件として、「放射性廃棄物は持ち込まない」「研究終了後は、地上施設を閉鎖し、地下施設は埋め戻す」「将来とも最終処分場としない」という北海道、幌延町、当時の核燃料サイクル機構によるいわゆる「三者協定」を締結している。しかし、幌延町ではこの夏から模擬廃棄物を埋め、地下水などへの影響を調査する試験が開始される。また、4月に閣議決定されたエネルギー基本計画では、「処分場を閉鎖せずに回収可能性を維持した場合の影響等について調査・研究を進める」と明記され、さらに、NUMO理事が、埋め戻すことを「もったいない」と発言するなど、なし崩し的に最終処分場を決定しようとしている。 仮に、脱原発社会が実現したとしても、高レベル放射性廃棄物は存続しつづけるが、その処分方法や処分場所は決定していない。このことは、決して地域課題ではない。本部の見解と平和フォーラムへの意見反映を要請する。
本部中央委員会は、本日15時まで行われる。