北海道公務労協は3月3日、午前11時より、札幌市・第3合同庁舎会議室で、人事院北海道事務局に対し春闘期の要求書を提出した。
提出にあたり、安田議長(全開発労組委員長)は「北海道の各地域に勤務している公務員労働者の声を要求書として整理したので、しっかりと受け止めていただきたい」と申し入れた。
個別の要求項目について、大出事務局長(自治労北海道書記長)が説明を行った。特に給与制度の総合的見直しに対しては、「中央労働委員会の平成24年度賃金事情等総合調査には、地域手当とした手当額の支給は半数以下、その水準が7~8%程度」という全国展開している民間企業の実態を示すと同時に、「基本的に同種の業務を行っているはずなのに、20%以上の格差が正当なのかという理由が全く説明されていない」「地方に勤務、また、高年齢層の公務員の給与水準をターゲットにして、引き下げを行う内容は職員の勤務意欲の後退につながるだけでなく、地方公務員へ同様な制度が強制されれば、地域経済は深刻な打撃を与える」と指摘して、人事院の検討方向に対して遺憾の意を表明するとともに、見直しには反対であることを本院に対して上申することを要求した。
これに対し、人事院北海道事務局長は、①地域間配分の見直しについて、職員団体が反対という理由は、「納得のいく説明が一切されていない」という点を指摘されたことを本院へ伝えていく、②世代間の配分については、「55歳以上の抑制が大きく、労働意欲の低下を招いている」ことを本院へ伝える、③調査対象企業規模等については変えない方向、一時金の比較方式は調査方法が難しいこと、業績見合いとすれば事業所ごとに集約する現行のやり方が理にかなう、④意見の申し出どおり定年延長へむけて引き続き努力するといった見解が示された。
その後、北海道公務労協構成各産別(林野労組、全開発、全農林、税関労組、北教組)から、各職場の切実な実態や重点的な課題等が報告・指摘を行い、問題的については、本院へ伝えることを確認した。最後に連合北海道から、北海道全体が日本の景気回復基調から遅れていること、雇用情勢も全国平均を大きく下回っていることなどを指摘しながら、給与制度の総合的見直しは「地方の崩壊につながる見直しを人事院がやろうとしている」と指摘し、「北海道の現状を見ていただき是正にむけて努力してほしい」と申し入れ交渉を終えた。