12月1日、札幌市・ホテルポールスター札幌で、NPO法人北海道地域調査会主催の「第6回市民公開講座 シンポジウム男女平等参画社会の前進にむけて」が開かれ、約100人が参加した。

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基調講演として、「生きがいから生き方の時代に-個の時代を生きる」と題し、平岡祥孝さん(札幌大谷大学社会学部地域社会学科教授)が講演した。

平岡先生は社会の変貌について「経済が成熟し、個々が「生き方」を考える時代になった。常に学び、得たものを活用していかないといけない時代だ」と述べた。また、仕事についても「今は性別にこだわっていては企業が成り立たなくなってきている。北海道は離職率が全国平均より高めだが、職の満足を与えてくれる職場であれば長く働いてくれる。丁寧に人に接する職場じゃないといけない」と述べた。終わりに、「人を基盤にする経営や生活者の視点が大事であり、ささやかな成功体験の積み重ねが働く力・生きる力になる。それがまさに男女共同参画社会であり、人を大切にする社会である」とまとめた。

パネルディスカッションでは、パネラーに中札内村村長 田村光義さん、イオン札幌琴似店店長 能戸光代さん、連合北海道女性委員会委員長 山田悦子さんが、公務・民間・労働組合のそれぞれの立場から先進的な取り組みや課題などについてディスカッションした。

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田村村長は「まちづくり計画に男女共同参画をしっかりと位置づけてきた。週間中に川柳の募集を行ったり、図書館に男女共同参画のコーナーを作ったり、セミナーなども開催してきているが、粘り強くやっていかないといけない課題だと感じている」「5年10年単位ではなく、小さなころから意識を育てていくことで変わっていくだろう。男女共同参画推進委員会の中でいろんな思いを伝えながら、聞いた人がヒントをもらって地域活動の火種となってきている。村民の関心が高まったとは言いきれないが、小さい変化は少しずつ出ている」と述べた。

能戸さんは「女性店長は道内で2人。まだまだ少ないが、ロールモデルとなれるよう、ワークライフバランス含めて新しい形の店長の姿をみせていきたい」と述べた。

山田さんは「さまざまな法整備はされてきているが、制度を知らない人や使えない人がまだまだ多い。連合北海道の活動を通して広めていきたい」と述べた。

最後に平岡先生から「男女平等の前進に大切なのは「アウトプット」ではなく「アウトカム」である。トップの本気度にかかっている」とまとめた。