9月9日~10日、第36年次地方自治研究全道集会が室蘭市・ホテルセピアスで開かれ、全道から約150人が参加した。
難波・自治研推進委員長が「全道各地から多くの仲間が参加していただくこととなりますが、全道各地に台風が上陸し、全道各地で被害が出ている。参加予定の方が参加できなくなった」また、「7月の参議院選挙で自治労組織内候補の『えさきたかし』と北海道選挙区の『徳永エリ』2人の勝利を勝ち取った。皆さんにお礼を申し上げる。また、全国的には改憲勢力が3分の2となったことから、皆さんに新たな危機感を持ってほしい。地方自治については、人口減少化社会の中で、自治体労働者として自治体職員の目、自治労組合員としての目、地域住民としての目が本物のまちづくりとなる。地域活性化には自治研運動を通じて、職場づくり、地域づくりに生かすことを祈念する。全道集会の成果を全国集会につないでいこう」とあいさつした。
次に、瀬戸・自治研推進委員会事務局長が「集会基調」を提起した。
続いて、吉岡宏高・札幌国際大学観光学部教授が「地域資源の活用~人口減少下でのまちづくりの要諦」と題し、基調講演をした。
吉岡さんは「子どもの頃、音を立てるようにまちが崩れいく様を目のあたりにした。だからまちづくりに関わっている。自分のまちを見て『恥ずかしい』ということはまちを否定しているも同じこと。人口減少は止まらない。人口減少の流れ受けて通り過ぎるのを待つしかない」と述べ、「これから必要なものは、形のないものを使って、異なるものを結びつけて新たな価値を生むこと。地域資源なくなったと思っても光の当て方を変えると実はある。これからは希求水準の低いものを高めていくことが必要」と訴えた。「行政職員として、今後起こり得るであろうことを予測し動く。コンセンサスからアコモデーションへ。『遠投力』をつけること必要。実感できそうな予感を感じること、絵に描いたモチでもOK。ゴールが見えないからと進まなければ、途中でおぼれてしまう。外の目を入れる。観光客は『お金』ではなく『応援団』」と主張した。
休憩後、「人口削減の下で地域の未来を考える」~「消滅」でも「創生」でもないホンモノのまちづくり~と題し、パネルディスカッションを行った。コーディネーターは、佐藤克廣・北海道地方自治研究所理事長、コメンテーターに、吉岡宏高・札幌国際大学教授、パネラーは、青柳暁寛・室蘭ルネッサンス理事長、松永英樹・輪西中核施設協同組合副理事長、石川昌希・室蘭民報社記者が参加した。
青柳さんは、今年一万日を超えた測量山ライトアップの取り組みを紹介し「室蘭ルネッサンスは地域力を生かした運動」と重要性を話した。
松永さんは、輪西地区のコンパクト化の具体内容に触れ「人口減少は止まらずまだ計画は発展途上。だがまちの活性化に寄与できた」と今後も取り組みを進める意気込みを述べた。
石川さんは、報道の立場から「ある地域資源をいかに有効活用し人が集まる場所を作るかが重要になる。取材活動を通じ動きを伝えたい」と語った。
2日目には、分科会を開いた。
第1分科会では「北海道の食と農、そして環境・エネルギーを考える」をテーマに行った。3人がレポート発表を行い、その後議論をした。
第2分科会では「地域の住民とともに歩むまちづくり」をテーマに行った。5人がレポート発表を行い、その後議論をした。
第3分科会では「子育てから医療・福祉・介護など、安心のまちづくり」をテーマに行った。5人がレポート発表を行い、その後議論をした。
第4分科会では「自治体改革・公共サービスと自治体職員」をテーマに行った。4人がレポートを発表し、その後議論をした。
今後も自治研に参加し、運動を強化することを確認した。