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釧路社会的企業創造協議会の櫛部武俊さん

北海学園大学との連携講座は、学生に地方自治と公共サービスの現状とその意義をアピールし、地方自治体や公共サービスで働くことの意味・意義について考えてもらうとともに、労働組合の積極的な役割を認識してもらうことを目的に実施し、今年で2年目を迎えます。

10回目は6月17日に開催し、釧路社会的企業創造協議会の櫛部武俊さんから「人と地域を耕す 魂の釧路モデル~生活保護制度・生活困窮者自立支援制度と共生社会~」をご講演頂きました。

冒頭、櫛部さんは生活保護制度の基本的な解説と、昨今の芸能関係者などによる不正受給について触れた上で、学生に対し「生活保護についてどう思っているか?」と投げかけました。学生からは「働いている人より収入が多いのはどうなのか」「現物給付にするべきではないのか」「不正受給は非難されてやむを得ない」などの意見が出されましたが、櫛部さんは「生活保護制度は他の様々な制度のベースになっている。最低賃金とどちらが先かという議論はあるが、受給者が非難される状況はどうなのだろうか」と述べ、釧路市の生活保護制度について解説しました。

「釧路市では自立を支援するための中間的就労というモデルをつくっている。入りやすく出やすい制度を実現するため、例えば他の自治体ではほとんど認められない軽自動車の所有なども認めている。そうすることで、就労しやすい環境を整えている」と釧路市の制度について述べ、「生活困窮者はそういった制度があることを知らない、或いは知ろうとしない。結局は社会から孤立してしまっているためにそうなるのであり、地域社会で自分が生きる意味、役割を持つことが重要」と、問題点を指摘しました。

最後に櫛部さんは「役場は制度を司るところだが、制度の狭間をどのように埋めるのか、そのことを考えなければならない。それを埋めてくれるコミュニティが地域にはたくさんある。制度を知り、地域を知り、困っている人を制度に繋ぐ職員になって欲しい」と訴えました。

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