自治労道本部町村連絡会議は、11月2日に札幌市・ノースシティーで「自治労北海道本部町村職学習会」を開き39単組61人が参加した。
集会では主催者を代表して宮崎・町村連代表幹事が「運動を進める課程で、ぶつかっていることや悩みなど町村の中で議論を行っていくことは重要だ。一緒に議論する場がここになる。地本では町村の組織あるところ、ないところはあるが、町村の仲間で考えあっていく場が必要だ。この間、さまざまな取り組みを行っているが、労働組合以上に当局の方が並びの意識を強めている。組合員から職場の実態や声をひろいあげ要求書にし、回答をもらい、それを組合員に返す中で当局と交渉し、妥結、書面協定を結ぶという基本的な運動が残念ながら全道の単組でできていない。これからは単組の組織力量や交渉力が問われてくる。参加したみなさんと考えていきたい」と述べあいさつした。
その後、川本・自治労本部書記長が「自公政権復活後の地方自治体を取り巻く現状について」と題して講演した。
川本書記長は国家公務員の給与特例措置について「来年3月末で期限切れを迎えるが、政府はその対応を示していない。当初考え方が10月末までには考え方が示されるのではないかと言われていたが未だ明らかになっていない。第2回給与関係閣僚会議では『この法律は基本的に特例の法律である』『国家公務員の賃金は人勧で決定する』ということは確認されているので、その額面どおりに受け取れば終わるとの期待感がある一方、現在、永田町や霞ヶ関で『政高党低(せいこうとうてい)』と言われている。自民党の影響力が低く、官邸が全て指導していると言われている。今の自公政権は全て官邸主導で最後は官房長官。省庁に対しても相当締め付けを行っており、自分たちの考えをぎりぎりまで出さないということを徹底している。予算編成の作業リミットが11月15日頃と言われており、中旬頃までに内容が決まってくる可能性がある」と状況を述べたうえで、「特例削減については正直なんとも言えないが、①特例法をやめて、その上で人事院報告の総合的見直しを尊重し来年の給与勧告で賃金を引き下げる②新しい臨時特例法をつくり、継続や率の削減など値切りを行い実行する事なども想定されるが、どんなパターンであっても民主党政権以前の状況に戻ることになる。過去にあったように地公の給与についても閣議決定で縛ってくることが想定される。政権交代が私たちの賃金労働条件に大きくかかわる課題であるということを受け止めなければならない。また、骨太の方針2013の中でも地方財政改革を聖域化しないとされており、地方交付税の引き下げや集中改革プラン時に行われた定数削減、退職不補充、独自削減などが行われることが考えられる。こうした中、この秋のたたかいは極めて重要で、しっかりと単組独自の課題を含め、対当局との交渉を強め、協議を行い物事を決めていくというルールを意識し職場からのたたかいを強めてほしいと」と強調した。
その後、櫛部・道本部賃金労働部長が、2013人事院報告の概要や地域間の給与配分の見直しなど給与制度の総合的な見直しなど課題について「賃金などの諸課題にどう立ち向かっていくか」と題して講演した。
講演では労働基本権制約の代償機関としての役割など人事院の機能について基本的な説明があり、この間の勧告の中で代償措置とは言えない状況や政府などに都合良く利用されてきた状況など人事院勧告制度の問題点について話があった。また、今後賃金をめぐっては給与構造改革時と同様の厳しい攻撃が想定されるが、現状を見ると「人勧や国に準じている」ということを理由に当局に抵抗ができていない状況が多く見られることを指摘したうえで、「労働組合として組合費を徴収していながら、労働条件に関与できていないとすれば組合員からの信頼は得る事はできず、一方的な不利益変更を認めない姿勢が大事。当局が一方的に進める場合も公平委員会への申し立てもできるが、当局には説明責任があり、国からの要請に基づく削減では全く理由になっていない。労働組合は役員と組合員との信頼関係で成り立っていることをしっかり意識しなければならない。当局に伺いをたてているところも多くあり労使対等とは言えない。本当に労使対等の対応ができているのか?組合員の思いにしっかりと依拠した運動を心がけ、今よりも、もう一歩進める運動を組織強化の取り組みとあわせて進めてほしい」と述べた。
最後に宮崎代表幹事が「執行部の意識レベルが落ちてきている。労働組合とは何か?労働者とは?ということから学習、確認していくしかない。そのことを一人でも多くの組合員と共有していくしかない。組織力量を高めていくためにも伺いを立てるのではなくしっかりと交渉を行っていこう。具体的に単組で運動をつくっていくためには、町村連の場をしっかり活かしていきたいと思うので参加したみなさんのご協力をお願いする」と集約し集会を終えた。